あいトリ、キュレーターらが吐露した「現場」の苦悩 津田氏は意義強調も...「目指していたことの反対に」

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「なんか、なんでうちら内ゲバしてるんだろう?」

   プレゼン後のディスカッションでも、キュレーターからの苦悩の声が相次いだ。国際現代美術展担当の能勢陽子氏は、

「表現、アートによって分断を乗り越えるということが掲げられていたが、実際始まってみると、むしろその困難が、表現が人を分断させているという状況をあぶりだすというような状況になってしまい、本当に当初目指していたことの反対を体現するような形になったというのが、すごく苦しい状況だった」

と話し、相馬氏は、

「『不自由展』がクローズになって、私たちは抗議される側になった。これまでこんなに検閲と戦ってきたのに、『検閲する側』みたいに言われたときの辛さはすごくあった」

とも。5日のパネルディスカッションでは、「『検閲』という言葉は『パワーワード』」だという指摘もあった。この「検閲」という言葉そのものが持つ破壊力にも悩まされた。

「これが人々の感情を非常に荒立てて、検閲『した』『された』というところで感情的になって終わる。まさに今回も検閲ということが出てきて、普段は対立すべくもない、信頼関係のあるアーティストのコミュニティーだったりキュレーターどうしだったりが、『なんか、なんでうちら内ゲバしてるんだろう?』みたいなことになっていくというのは、本当にきつかった」(相馬氏)
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