レギュラーシーズンの全日程が終了し、来シーズンへ向けての動きが出始めている。
ソフトバンクは2019年10月7日、入来祐作3軍投手コーチ(47)と飯田哲也3軍外野守備走塁コーチ(51)の今シーズン限りでの退団を発表した。入来氏、飯田氏ともに2015年にコーチに就任し、入来氏は2軍と3軍の投手コーチを務め、飯田氏は1軍の外野守備走塁コーチも務めた。
入来氏は用具係からコーチに昇格した苦労人
チームがクライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージ進出をかけて戦っている最中の発表となった今回の退団。入来氏、飯田氏ともに「再就職先」が注目されるが、なかでもG党が注目するのが入来氏だ。現役引退後は横浜ベイスターズ(現DeNA)のチームサポーターを務め、打撃投手、用具係などの雑用をこなし、2015年からソフトバンクのコーチに就任した苦労人である。
ソフトバンク初年度は3軍の投手コーチ、翌年には2軍投手コーチに就任。チームでは5年間、主に若手投手の育成に力を注いできた。この日、入来氏のソフトバンク退団が報じられると、巨人OBということもありネット上ではG党が素早く反応。「ぜひ、巨人の若手投手を育ててほしい」、「ソフトバンクでの経験を巨人で生かしてほしい」との声が上がるなど、早くも原巨人入閣への期待が高まっている。
今シーズン限りでヤクルトを退団した石井琢朗氏(49)の初入閣も期待されている。石井氏は2012年に広島の選手兼1軍野手コーチとなり、同シーズンの引退後に専任コーチに。17年に広島を退団しヤクルトの1軍打撃コーチに就任。今シーズンはチームが最下位に沈み、この責任を取る形で小川淳司監督が退任し、これに伴い1軍のコーチングスタッフの多くが退任した。
「外部」からの招へいレアケースだが...
広島のリーグ3連覇の基礎を作った指導力は高く評価されており、一部メディアは今オフの巨人入りの可能性を示唆。巨人のコーチングスタッフは伝統的に生え抜きもしくはチームOBで構成されるのが常で、「外部」からコーチを招へいするのはレアケースである。とはいえ現役時代、2000本安打を記録し、守備では5度のベストナインに輝くなど、コーチだけでなく選手としての実績もあり、石井氏の入閣を望むG党は多い。
また、一方で今年5月に現役を引退した上原浩治氏(44)の指導者としての現場復帰を望む声も多く見られる。昨シーズン、MLBから日本球界に復帰し、14ホールドをマーク。今シーズンは1軍でのマウンドがないまま引退となったが、日米通算「100勝」「100ホールド」「100セーブ」のトリプル100を達成したレジェンドには、投手力強化を望む声も。そして、今シーズン限りで現役を引退した表明した阿部慎之助捕手(40)。来シーズンの入閣は決定的とみられ、原政権の後継者としても期待がかかる。
今オフのここまでの各球団の人事動向を見てみると、セ・リーグでは監督が交代したヤクルト、広島のコーチングスタッフに変化が見られそうだ。5年ぶりのリーグ優勝を果たした巨人は元来、コーチングスタッフの数が多く、スタッフの入れ替えは頻繁に行われている。指導者経験を持つ石井氏、入来氏、そして上原氏。来シーズンの巨人に新たな顔ぶれが見られるかもしれない。