ラグビー日本代表は2019年10月5日、サモア戦に38-19で勝利を収めた。「勝ち点14」とし、プールAで再び暫定首位に立った。中でも光ったのは「背番号10」を背負う田村優選手(SO=スタンドオフ)の確実なキックによる加点だった。3戦を終わった時点で、通算得点はキックで「40」。強豪ひしめくW杯の中で、トップに立っている。
しかしキックのように華々しくはないが、試合展開を一気に有利に導く「ジャッカル」というプレーの姫野和樹選手(NO 8)も素晴らしかった。ラグビーを、あまりご存じではない方には「ジャッカル」って何? という話になるが、「ジャッカル」について紐解いてみよう。
「2本、絡めてよかった。次戦も...」と姫野選手
ラグビーには「ジャッカル」と呼ばれるプレーがある。タックルされた相手選手に「立ったまま」で、ボールを奪いに行く行為だ。
ジャッカルという動物は、主に南アジア~中東、アフリカに生息する「犬」のようなものだ。
その「ジャッカル」が、後ろの2本足を立てて捕食することを模して、立ったままボールに絡むプレーを「ジャッカル」と呼ぶ。
10月5日に行われたサモア戦、姫野選手は少なくとも2つのジャッカルで、相手からボールを争奪した。
象徴的だったのが、後半11分。倒れた相手のボールを奪いにいく「ジャッカル」で相手の反則を誘った。そこから、反撃が生まれた。
姫野選手の上腕周囲は約45センチ。一般女性の太ももぐらいのサイズだ。その両腕で「ガボッ」と抱え込まれたら、屈強な外国人選手もボールを動かせない。「ノット・リリース・ザ・ボール」(寝ころんだ状態でボールを放さない反則)を誘発し、日本を勝利に導いた。
姫野選手は試合後のインタビューで、
「(ジャッカルを)2本は奪えて、よかった。(スタジアムの)コール、最高でしたね。(出身である愛知県の)地元で愛されていると実感しました。お世話になった方もたくさん見に来ていましたし、自分のプレーを見せることが恩返しになる。次も頑張ります」
とコメントしている。
(J-CASTニュース 山田大介)