漢文の授業は「本当意味がないと思う」――
ロックバンド「RADWIMPS」のボーカル・野田洋次郎さん(34)の「漢文」をめぐる持論が、ネット上で議論を呼んでいる。漢文を日本語で訓読する意味が分からないとして、「受験や試験のための科目な印象」などと切り捨てたためだ。
「漢文の授業ってまだあるの?」
野田さんは2019年10月6日未明、突如ツイッターで「漢文の授業ってまだあるの?」と問いかけた。
「あれって本当意味がないと思うんだけど、なぜいまだにあるんだろう。普通に中国語で読める漢文を教えてほしかった」
続けて、レ点などの「返り点」や送り仮名をつけて、日本語で訓読することについて「どれだけ意味があるんだろう」として、
「受験や試験のための科目な印象。前時代的に感じる」
と否定的な意見を発したのだ。
この投稿にフォロワーから「私、国語大好きなのに 漢文だけは全く理解不能だったなー古文はすきなんだけどね」と共感するリプライ(返信)が寄せられると、野田さんはこれを引用する形で、
「うん、古文は俺もあっていいと思う」
とつぶやいた。
こうした持論をめぐって、ツイッターでは賛否の分かれた意見が相次ぐ状況に。「漢文読めて得したことが一度もない」「納得しかないです」と野田さんの意見を支持する声が寄せられる一方で、
「漢文を勉強する意味は語学というより、日本語の歴史に近いのでは」
「そもそも漢文は言語を身につける能力を求めてる訳じゃないと思う」
「漢文が読めないと歴史書なんて全部読めませんよ。日本の歴史を知るツールを失うことになります」
といった声も出ていた。
「中国語で教えて欲しかった」
野田さんはその後、先ほどの持論ツイートを補足するような形で、
「中国語で中国語の古典を読めるようにそのまま教えてほしかった。訓読はできるから。効率主義なのかそれは」
と投稿。これにフォロワーから、「むしろ『中国語を学ばなくても中国の古典が日本語で学べる』から意味があるのではないでしょうか...」といったリプライが寄せられると、
「なるほど。ひらがなもカタカナも日本語のすべては中国語が大元になっているが故に、英語よりもまずその源となる言語を知ることはとても大事だと思うのです。ただ、その方法論がなんか自分にはしっくりこないという感じ。ただこの説明はとても理解。ありがとう」
と返信。さらに、自らのツイートとそれをめぐる一連の議論を踏まえてか、
「何が将来役立つか、何の意味があるか、この国の教育のあり方はそもそも正しいのか、疑問はきっと尽きないし学生の時僕も色んな葛藤がありました。でも『やれるだけやってみた』という経験は間違いなく価値があると思います」
などとつぶやいていた。
野田さんは進学校として知られる神奈川の桐蔭学園(中・高)出身で、慶応大学環境情報学部を中退している。