人間は「決めつけてでも」希望を持ちたい
まず、勇み足になりがちな人間の思考について鈴木氏は、
「人間は『成功したい』と思うと、成功につながる因果関係を探し回ってしまう性質を持っています。何かにつけて特徴的な出来事を探し出し、『これをやったから成功したんだ』と意味付けを行います。いわゆる『ゲン担ぎ』というやつですが、これには独自性がある方が、より満足感が得られます。さらに、ゲン担ぎには、実際に望み通りの結果が出た時のエピソードの方が記憶に残りやすいので、『このゲン担ぎには効果がある』との意識が強まります」
また、芸能人、特に役者は常にオーディションを受け続けなければならない職業だが、これは、一般人に置き換えれば「常に入社試験を受けている」ようなものだろう。これについて鈴木氏は、
「常に合格しなければならないという状況では、成功(合格)は偶然であるよりも必然である方が安心していられます。このような状況では、人間は『決めつけてでも』希望を持ち続けようとします。場合によってはオカルトやスピルチュアルなものにも法則性を感じてしまうでしょう。切羽詰まった状況で神秘的なものに憧れを抱いてしまうのは、人間の性なのです」
と指摘した。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)