スズキ株価とインドの風 法人減税の効果は大きい?限定的?

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トヨタとの資本提携

   スズキが8月5日に発表した2019年4~6月期連結決算をみると、売上高は前年同期比8.1%減の9075億円、営業利益は46.2%の626億円と確かにふるわない。所在地別でみるとインドを含むアジアは売上高が13.2%減の4312億円、営業利益が59.0%減の219億円と落ち込んでいる。昨18年に不正が発覚した完成検査問題を受け、検査を徹底しているため生産ペースが落ちている日本も売上高が6.5%減の5090億円、営業利益は48.6%減の260億円だったが、それを上回るペースでインド事業の業績が悪化している。

   こうした事情からスズキの株価は過去1年間、6000円台から下落基調をたどっていた。ここへきて戻り基調のきっかけとなったのは何と言っても8月28日に発表されたトヨタ自動車との資本提携だ。トヨタが960億円を出資してスズキ株の約5%を持ち、スズキもトヨタに0.2%程度を出資する。業務提携だった従来の関係から一歩進んだことでスズキ株の安心感が醸成されたのは間違いない。そうした下地があったところでインドの法人減税などに投資家が反応しているのが現状だ。

   ただ、10%近い高成長を続けてきたインド市場のブレーキのかかり方は深刻で、「減税で利益をカバーできるレベルではない」との見方もある。株価も4700円に乗せた後は4400~4600円台の一進一退の動きになっており、インド発の情報の株価浮揚効果も限定的となる可能性がある。

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