関西電力の役員ら20人が金品を受け取っていた問題は、関係者の責任を問う声がメディアなどで高まっている。
原発の再稼働に関連するだけに、識者からは、政治家の関与などを調べるべきだとの声も出ている。
関電は、便宜供与を否定
菓子袋の底に金貨がいくつも入っていたり、50万円もする超高級スーツが贈られたり...。金品受領の内容が報じられると、ネット上では、庶民の生活とかけ離れた感覚に驚きの声が広がった。
今回の問題では、福井県高浜町の元助役の故・森山栄治氏から、2011年からの7年間で計3億2000万円相当もの多額の金品を受領したことが分かっている。
金品受領は、18年に入って金沢国税局の調査で指摘され、関電も調査を行って、同年9月に社内調査報告書をまとめていた。しかし、結果は公表せず、取締役会にも報告していなかった。
この問題が発覚して、関電は2019年9月27日に会見を開いたが、詳細を明らかにせずに批判を集め、10月2日になって、再度会見を開いた。金品の内容は、ここで明らかにされたものだ。
関電の岩根茂樹社長と八木誠会長は会見で、森山氏から恫喝を受け、地元の有力者だけに断り切れなかったと釈明した。自らの責任を問われたが、辞任する考えはないことを強調した。
加えて、森山氏が顧問をしていた高浜町内の建設会社「吉田開発」に対し、関電が入札をせずに特別扱いの随意契約をしていたと報じられた。そして、会社から多額の資金提供を受けた森山氏が、関電幹部に金品を供与したとも指摘されている。関電は便宜供与を否定したものの、いわば、原発マネーが還流していた可能性があるわけだ。