プロ野球の元西武で、パドレス傘下3Aエルパソの牧田和久投手(34)が、2019年9月30日付で自由契約になったとマイナーリーグ公式サイトが伝えた。牧田は2018年に西武からポスティングシステムでMLBパドレスに移籍。昨シーズンはMLBで27試合に登板して0勝1敗2ホールドをマークしたが、2年契約の2年目の今シーズンはマイナー生活が続いた。自由契約になったことで日本球界復帰の可能性が高く、複数球団による争奪戦が必至となった。
牧田は昨シーズン終了後に40人枠から外れ、今シーズンは2Aで開幕を迎えた。球団との契約によるものかは不明だが、6月17日にメジャーに昇格。同日のブルワーズ戦での登板はなく、翌日に40人枠から外れマイナーに降格した。その後はメジャーに昇格することなく、マイナーでの登板が続き、最終的には3Aエルパソでシーズンを終えた。
メジャー0勝も日本球界では依然として高評価
6月18日にマイナーに降格した時点で自由契約を選択して日本球界復帰の道もあった。それでも牧田はメジャーの夢を諦めず米国に残ることを決断。3Aでは8試合で3勝1敗、防御率3.86の成績を残したものの、メジャー昇格はならなかった。34歳の年齢的にも日本球界復帰の可能性が高く、今オフの自由契約選手の目玉となりそうだ。
牧田は平成国際大から日本通運を経て2011年に西武入り。入団当初は先発として起用されていたが、16年から中継ぎとして活躍し、この年は25ホールドを記録した。NPB7年間の通算は53勝49敗25セーブ54ホールド。メジャーでは白星を挙げることは出来なかったものの、日本球界での評価は依然として高い。
移籍候補として挙がるのが古巣・西武だ。牧田がポスティングシステムでパドレスに移籍した際、西武に支払われた譲渡金は50万ドル(約5750万円=金額は推定)とされている。西武は当初、この譲渡金を100万ドル(約1億1500万円=金額は推定)に設定していたが、牧田が移籍しやすいように金額を下げたといわれている。このような経緯もあり、西武出戻りの可能性は十分にある。
元チームメイトの石井GMとは固い絆が
一方で、楽天が早くから牧田獲得に向けて調査に乗り出す方向性を打ち出していた。楽天・石井一久GM(45)は西武時代、牧田とチームメイトだった間柄にある。石井GMは、牧田の日本球界復帰を前提として「興味はあります」とコメントしている。西武、楽天とも投手力強化が課題のひとつになっており、救援陣の補強は必要不可欠となっている。
争奪戦に参戦してきそうなのが原巨人だ。今シーズンは5年ぶりのリーグ優勝を決めたとはいえ、中継ぎ投手の補強は重要課題となる。シーズン中にトレードで3投手を獲得し、さらに新守護神としてルビー・デラロサ投手(30)の獲得に成功。この補強によって開幕当初よりも投手陣に厚みが出たが、常勝軍団を率いる指揮官はさらなる補強で地盤を固めていくとみられる。
慢性的な投手不足に悩まされている球団は多く、牧田が日本球界復帰を表明すれば上記3チーム以外にも獲得に名乗りを上げる球団が出てくる可能性も。経験豊富な右のサブマリンは貴重な存在で、日本のプロ野球ファンからの期待も高い。今オフの注目選手のひとりである牧田の行方は...。激しい争奪戦の気配が漂ってきた。