プロ野球はレギュラーシーズンの全日程を終え、第1次戦力外通告期間が2019年10月1日、始まった。
セ・リーグではリーグ2位でクライマックスシリーズ進出を決めたDeNAが大量10選手に戦力外を通告し、パ・リーグではリーグ3位の楽天が9選手を戦力外とした。セ・パ各球団から今後も戦力外、自由契約選手らが出てくる模様で、選手の去就に注目が集まる。
斎藤は2年連続で勝ち星なし
今シーズンはセ・リーグの大物選手の現役引退が相次いだ。巨人の上原浩治投手(44)がシーズン中の5月に現役を引退し、9月に阿部慎之助捕手(40)が現役引退を発表した。阪神では日本球界在籍10シーズンを記録したランディ・メッセンジャー投手(38)が引退し、広島では通算165セーブの永川勝浩投手(38)がグローブを置いた。ヤクルトでは館山昌平投手(38)をはじめ4選手が今シーズン限りの引退を発表した。
ここ最近、戦力外通告期間の時期になると話題に上がるのが日ハムの斎藤佑樹投手(31)だ。高校、大学とエリートコースを歩み2011年のプロ1年目には6勝をマーク。翌12年は5勝に止まり、以降は下降の一途をたどる。プロ9年目の今シーズンは11試合に登板したが未勝利に終わり0勝2敗。2年連続で勝ち星に恵まれず、ここ5年間でわずか2勝しかしていない。
成績に比例するように年俸も右肩下がりとなっている。2013年の3500万円(金額は推定)を頂点に徐々に下がり、19年は1500万円となり、プロ1年目の年俸に並んだ。ただ、球団をはじめ栗山英樹監督(58)の期待は高く、今シーズンは「オープナー」の先発投手として起用されるなど、一定のチャンスを与えられてきた。ファーム暮らしが長く続く中、本人は腐ることなくイースタンで4勝をマークしている。
昨年は106選手が戦力外通告を...
2年連続で1軍未勝利ということもあり、日ハムの動向に注目されたが、10月1日現在、日ハムが戦力外通告をしたのは5選手で、この中に斎藤は含まれていない。また、斎藤にとって「追い風」となりそうなのが栗山監督の続投だ。10月2日、日ハムは正式に栗山監督の来シーズンの続投を発表。斎藤の復活に期待する栗山監督が来シーズンも指揮を執ることで、残留の可能性が高くなってきた。
一方、巨人のベテラン岩隈久志投手(38)、中島宏之内野手(37)の2人も残留が濃厚となっている。岩隈は今シーズン、1軍での登板はなかったものの、原辰徳監督(61)の意向もあり残留の可能性が高い。一方の中島は、クライマックスシリーズ(CS)に向けて1軍に合流していることから、来シーズンの戦力として指揮官の構想に入っているようだ。
第1次戦力外通告期間は10月4日まで。昨年は第1次期間に66選手が通告を受けた。第2次期間は、CS全日程終了翌日から日本シリーズ終了翌日(日本シリーズに出場した2チームはシリーズ終了5日後まで)までとなる。昨年は計106選手が戦力外通告を受け、その多くが球界を去って行った。