不自由展への「電凸音声」公開→削除 クレーム当事者、愛知県、法律家...それぞれの見解を聞いた

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弁護士「違法の可能性高くないが、公開は軽率だ」

   愛知県の検証委による音声公開について、深澤諭史弁護士は、「十分に先例がなく難しいですが、違法であるとされる可能性は高くはないと考えます」と取材に答えた。

   その理由としては、次のことを挙げている。

「一般に、人格権といって、名誉やプライバシーなどを始めとする人格的利益は法的に保護されています。これを侵害すると、民法709条、710条により、賠償義務が生じます。肉声がこれに当たるかは難しい問題ですが、諸般の事情を考慮するべきです。本件では、感情的になっている声ですので、みだりに公にされない権利ないし利益はありそうです。一方で、個人を直ちに特定することはできません。また、かなり乱暴な言葉遣いと聞いておりますし、事案が社会の正当な関心事でもあります。そうなると、違法になる可能性は高くはないといえます」

   ただ、深澤弁護士は、こうも言う。

「もっとも、発言者は音声の公開に同意はないでしょうし、違法とされる可能性を完全に否定することはできません。また、そもそも検証のために公開とのことでありますが、検証のために公にする必要まではなかったのではないかと思います。そういう意味で、公開という行為自体に対しては、軽率との誹りは免れないと思います」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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