売る側も、買う側も「不公平感」
もっともスーパー業界も一枚岩ではない。ポイント還元の対象となる業者は「資本金5000万円以下または従業員50人以下」などという条件に合致する「中小企業」であることが必要なため、資本金をわざと減らす例も出ているという。中小企業のスーパーでは5%に相当するポイントを国の負担で還元することになり、同じスーパー業界の中でも「公平・公正な競争」が著しく阻害されることになる。
消費者の視点に立つと、5%還元、2%還元、還元無しの小売店が混在し、電子マネーやクレジットカードといったキャッシュレス決済を使っていなければポイント還元の恩恵は受けられない。売る側、買う側の双方に不公平感を抱えたまま始まるポイント還元。2019年度予算に必要経費として計上されている2798億円の財源は、我々が支払った税金だということを忘れてはならない。