「勇み足もあったが、辞任までは求められなかった」
その理由としては、「アートの専門家がアートの観点から決定した内容であれ ば、政治的な色彩があったとしても、公立美術館で、あるいは公金を使って行うことは認められる」ことを挙げた。
このままでは、脅迫に屈した悪しき前例となって他の芸術祭にも悪影響を与えかねないとして、不自由展について、「条件が整い次第、すみやかに再開すべき」だと指摘した。条件とは、脅迫などのリスク回避策を取り、作家の真意が分かるようなガイドツアー方式を採用する、といったことだとしている。
とはいえ、ネット上では、少女像などの展示自体に難色を示す声が多い。大村知事は9月25日、検証委のあいさつで、条件を整えて不自由展を再開したい意向を示したが、本当に実現するかは未知数だ。
津田氏については、大村知事は、厳重注意処分にしたことを明らかにし、津田氏も25日の会見で、「勇み足もあった」として、厳粛に受け止める考えを示した。ただ、津田氏は、辞任までは求められなかったとして、10月14日の会期末まで芸術監督を続投する考えを明かした。
しかし、関係者の間では、津田氏の責任を問う声もあり、芸術監督の相談役的なポジションに当たる企画アドバイザーを辞任した東浩紀氏は、「芸術で政治的問題を問うことと、芸術を政治のイシューにすることは違うんだよね。津田さんは後者を選んでしまった」とツイッターで疑問を呈し、「そろそろ引いたほうがいい」とアドバイスした。
もっとも、大村知事ら芸術祭実行委側の責任を問う声も多く、不自由展に反対している河村たかし名古屋市長は、「全部、津田さんのせいにしている。一人悪者になるのかね」と報道陣に皮肉を漏らした。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)