キャッシュレス化とコンビニ募金 「お釣りの小銭」消えたら、影響は...

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募金額には目立った減少なし

   3社とも、自社の電子マネー以外のスマホ決済や交通系ICカードを使って店頭で募金することは、今回の募金に限らず「できない」とのことだった。自社電子マネー(アプリ)については、3社で違いがあった。

   セブン&アイ・ホールディングスは、電子マネー「nanaco」のポイントを「1ポイント=1円」で被害支援に募金できる。セブンカードのポイントでも可能。パソコンやスマートフォンで会員メニューにログインしてネット上で完了する。

   ローソンは、今回の台風15号被害支援の募金では利用できないものの、普段の募金の際には、「Ponta」カード(デジタル版含む)やNTTドコモの「dポイント」のポイントを使って、サイト上で少額から募金できる。

   フャミマでは、アプリ「FamiPay(ファミペイ)」も含め、キャッシュレスでの募金には、普段から対応していないそうだ。

   上記のように「キャッシュレス募金」ができるケースもあるが、「買い物の際にお釣りの小銭を募金する」ほど気軽にできる訳でもなさそうだ。

   では、キャッシュレス決済の浸透は、店頭募金額にマイナスの影響を与えるのだろうか。例として、一般財団法人セブン‐イレブン記念財団が公表する「月別店頭募金額」の推移をみてみると、「最近になっての減少傾向」はうかがえず、むしろ19年(募金年度)は増えている。年ごとに様々な要因があり、またキャッシュレス決裁の浸透度の数字もはっきりしないため単純比較はできないが、2019年3~8月の各月の数字は、いずれも18年・17年の同月分より多かった。たとえば6月分(千円台以下は切り捨て)は、17年4008万円、18年3915万円、19年4152万円だった。7月分は、17年3840万円、18年3852万円、19年4026万円。ファミマ公表の数字(夢の掛け橋募金)でも19年3~7月の各月の店頭募金額は18年・17年の同月分より多かった。

   また、セブン‐イレブン記念財団の「2018年度義援金募金活動」(3件)のうち、台風と豪雨災害の2件の店頭募金額を確認すると、「平成30年台風21号 2398万円<募集9月7日~10月4日>」、「平成30年7月豪雨災害 1億4320万円<同7月8日~9月2日>」だった。

   今回の台風15号被害の支援・募金額ものちに公表されるだろうが、募集期間や募集店舗の規模なども異なるため、過去の台風被害への募金額と単純比較はできない。

   キャッシュレス決済の浸透と店頭募金額の関係の有無は、もうしばらく長期的に数字を見比べる必要がありそうだ。

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