2019年9月24日深夜、ツイッターのトレンド欄に「吉田正尚ヒット」のワードが浮上した。吉田正尚(よしだ・まさたか)とは、オリックス・バファローズの外野手のことだ。
この日、埼玉西武ライオンズがリーグ優勝を決めたことで、同時刻には「ライオンズ」「西武優勝」といったワードが並んでいた。いったいなぜ、オリックスの吉田外野手が注目を集めたのか。
金髪のカツラの人物は...
24日深夜、西武の選手たちは3000本のビールで祝杯をあげた。選手会長の増田達至(ますだ・たつし)投手の「2連覇とったぞー!」を合図に、会場はビールの雨が降り注ぎ、約25分程度であっという間に大量のビール瓶は空になった。
締めの挨拶を任されたのは、チームキャプテンの秋山翔吾外野手だ。だがひと言のみで、熊代聖人(くましろ・まさと)外野手に譲った。
「何もできないキャプテンを、このような場に立たせていただいてありがとうございます。去年も熊代が締めたんで、熊代に最後任せたいと思います」
熊代外野手は今シーズン32試合出場、打率.231と控えに回っていたが、チームのムードメーカー的存在であり、昨年も締めの挨拶を務めた。
「みんな優勝おめでとう! これだけは言わせてくれ。今年もまた優勝できたのは、みんなが野球上手いからじゃないぞ。俺の声出しがあったからや!」
熊代外野手は冒頭で軽い笑いを取り、自分が締めるのではなく優勝にかかせない活躍をした"特別ゲスト"を呼びたいと話した。
そこで登場したのが、9月24日試合終了時点でリーグ首位打者(打率.329)の森友哉捕手――に扮する熊代外野手だ。
「みんな、優勝おめでとう。あ、俺?森。見たらわかると思うけど、森。俺、『あかんわーあかんわー』って言ってても、やっぱ俺打つし、ほんと俺にはみんな助けてもらったと思う。俺、あんましゃべり好きじゃないんだけど、最近の口癖としては『吉田正尚ヒット打った?』。それに尽きる」
用意していた金髪のカツラをかぶり、若干声色を変えて、森捕手になりきった。「吉田正尚ヒット打った?」の後には、会場に大きな笑いが起こった。現在打率.325で、タイトルを争っているオリックスの吉田外野手を意識していることをイジったのだ。
「ライオンズ流行語ノミネート」「3日は笑ってられる」
熊代外野手のモノマネは、ビールかけの中継を見ていたファンの注目も集めた。
「最近の口癖『吉田正尚ヒット打った!?!?』は草」
「吉田正尚ヒット打った?で3日は笑ってられる自信ある」
「トレンドに"吉田正尚ヒット"が入ってるの笑う」
「ライオンズ流行語ノミネート」
その後、熊代外野手は「次の人あるから」といって、今度は30本塁打、123打点の活躍を見せている中村剛也内野手のモノマネを始めた。「俺、記者に何聞かれても『打ててよかったです』しか言わない」という中村内野手のヒーローインタビューをネタにして、最後は「優勝おかわり!」と、中村内野手の愛称「おかわりくん」にかけた挨拶で締めた。