鉄鉱石、石炭の価格が下がるとの見方もあるが...
こうした海外の事情による経営不振は2019年4~6月期決算にも表れており、事業利益は前年同期比63.1%減の307億円、純利益は65.2%減の197億円だった。中国景気の減速が日本企業の設備投資を冷え込ませて需要を減らす半面、中国の国内景気対策が原料費を上げるというJFEだけではいかんともしがたい環境が経営を揺らしている。8月9日以降、野村証券やゴールドマン・サックス証券、みずほ証券、SMBC日興証券、大和証券と国内外の大手証券会社が軒並み目標株価を引き下げており、極めつけが三菱UFJモルガン・スタンレー証券の投資判断の格下げだった。
また、株価にじわりと影響を与えているのは、8月9日に決算などと同時に発表した配当政策だ。2019年9月末は1株当たり20円と前年同期より25円減らす(通期は未定)という内容で、業績とともに失望売りを招いている。
鉄鉱石や石炭といった原材料の価格が今後は下がるとみる向きもあり、そうなればJFEには朗報だ。しかし米中貿易戦争の先行きが見えづらい中、それも期待外れとなる可能性もあり、JFE株が上昇気流に乗るには越えるべきハードルが多い。