戸惑いや不満は不可避か
これに対し、軽減税率を原則通り厳密に適用し、税込み価格に差がつくのは仕方ないとする企業も多い。スターバックスコーヒーは「お客さまの申し出に従って、持ち帰りなら8%、店内飲食なら10%にする」と発表した。メニュー価格は従来通り税抜きで表示し、客の理解を得たい考えだ。タリーズコーヒーやモスバーガー、ガストも同じ方針を示している。
消費者にとって軽減税率は初の体験で、高齢者を中心にまだ十分に周知されているとは言い難い。さらに、各社の対応が異なれば、戸惑ったり、不満を抱くことは避けられないだろう。大手流通企業の役員は「増税そのものの影響はそれほど大きくないと見ているが、軽減税率の導入で混乱が生じることが心配。軽減税率は導入しない方がよかったのではないか」とも話している。