DeNAが本拠地で巨人の胴上げを許した。DeNAは2019年9月21日、横浜スタジアムで巨人と対戦し、延長10回2-3の逆転負けを喫した。2回に先制するも、7回には戸柱恭孝(29)のパスボールで1点を献上。9回には守護神・山崎泰晃(26)が同点に追いつかれ、延長10回に三嶋一輝(29)が2死1、3塁の場面で増田大輝内野手(26)にタイムリーを許して逆転された。
捕手の後逸、連続四球で巨人Vを「アシスト」
9回、守護神・山崎はあと1人まで追い詰めたが、重信慎之介外野手(26)に対してまさかのストレート四球。続く若林晃弘内野手(26)にも四球を与え、2死1、2塁のピンチに。8番・小林誠司捕手(30)にしぶとくライト前に運ばれ同点とされ、延長10回もまた、三嶋が2連続四球でピンチを招き、増田に逆転タイムリー。2人の救援投手が自滅する形で巨人の優勝を「アシスト」してしまった。
巨人に流れが傾いたのは7回だった。先発・上茶谷大河(23)が岡本和真内野手(23)に2塁打を許し、続く大城卓三(26)を四球で歩かせた。重信の犠牲フライで1死1、3塁となり、阿部慎之助(40)を打席に迎えたところで上茶谷が降板し、マウンドにはエドウィン・エスコバー(27)が。その阿部に対する5球目を戸柱がミットに当てながらも後逸し、1点を失った。
横浜OBで野球解説者の野口寿浩氏(48)は「7回以降ミスが続き、そこから失点するという悪い形になってしまった。戸柱選手のパスボールにはじまり、山崎投手と三嶋投手がそれぞれ連続フォアボールでピンチを招いてしまいました。山崎投手に関しては2アウトからのストレートのフォアボール。しかも連続フォアボールになりピンチを広げてしまったわけですから、痛恨のミスといえるでしょう」と指摘した。
「シリーズ男」の発掘に期待
リーグ優勝は巨人に譲ったが、まだクライマックスシリーズ(CS)での「逆転」の目がある。野口氏は「クライマックスシリーズでこの日のようなミスをすれば勝ち上がることは難しい」と前置きした上で、今後の救援陣の起用について言及した。
「クライマックスシリーズを勝ち抜くには、先発の枚数も必要ですが、山崎投手、三嶋投手、エスコバー選手ら救援陣の活躍が欠かせません。2位通過が決まった時点で、この3投手を完全に休ませ、休養を与えることが必要だと思います。日本シリーズまで見据えると、短期決戦とはいえ決して短い戦いではありません。出来るだけ早く、長く救援陣を休ませることが大事になってきます」(野口氏)
また、野口氏は自身の経験からポストシーズンにおいて、そのシリーズを大きく左右する「シリーズ男」が出現すると指摘する。「クライマックスシリーズまで、投手陣を休ませる一方で、シリーズ男になるべく選手を発掘してほしいです。私の経験上、必ずと言っていいほどシリーズ男が出てきます。クライマックスシリーズが始まるまでに、シリーズのカギを握るような投手、野手をひとりでも多く見出してほしいです」と話した。