原巨人、V奪回の陰で移籍組の「明暗」くっきり 岩隈・中島の来季は

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   原巨人が5年ぶりのリーグ優勝を決めた。巨人は2019年9月21日、横浜スタジアムでDeNAと対戦し、延長10回3-2で勝利した。3回に2点を先制されたものの、9回2死から同点に追いつき、延長10回に増田大輝内野手(26)のタイムリーで逆転に成功した。最後は新守護神ルビー・デラロサ(30)が3人で締めくくりゲームセット。2位DeNAに2連勝で令和初のセ・リーグ王者となった。

   敵地・横浜で8度、宙に舞った原辰徳監督(61)。チームリーダー坂本勇人内野手(30)をはじめ、エース菅野智之投手(29)、阿部慎之助捕手(40)、岡本和真内野手(23)らチームの主軸が次々と歓喜の輪に加わる。その輪の中には昨オフ、フリーエージェント(FA)で移籍してきた丸佳浩外野手(30)と炭谷銀仁朗捕手(32)の姿も。グラウンドではセ・リーグを制したナインらの「宴」が続いた。

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補強に次ぐ補強で勝ち取った優勝

   昨オフ、全権監督が主導した大型補強。FAで丸、炭谷を獲得し、海外からは現役メジャーリーガーのクリスチャン・ビヤヌエバ内野手(28)、ライアン・クック投手(32)が新加入。これに加えて、日米通算170勝右腕・岩隈久志(38)、WBC戦士・中島宏之内野手(37)を獲得するなど、総額40億円近い大補強に踏み切った。シーズン中盤にはトレードで3投手を補強し、デラロサの獲得に動くなど、補強に次ぐ補強で優勝へまい進した。

   「優勝請負人」として加入した丸は、シーズンを通して安定した成績を残した。炭谷は捕手3人制のなか、55試合でマスクをかぶり、セ・パ交流戦で存在感を示し指揮官からの信頼は厚い。6月に日ハムからトレードで移籍した鍵谷陽平投手(28)は、ここまで23試合に登板し、中継ぎ陣を支えている。新守護神デラロサは、26試合に登板して防御率2.25。「勝利の方程式」に欠かせない存在となっている。

   一方で首脳陣の期待に応えられなかった移籍組も。ビヤヌエバは8月11日のヤクルト戦以降、1軍での出場がなくファーム暮らしが続く。当初は守備固めでの起用も期待されたが、打撃が振るわず2軍落ちに。代打の切り札として年俸1億5000万円(金額は推定)で獲得した中島は、今シーズンここまでヒットはわずかに8本で打率.148。守備面では3つの失策を記録しており、高い買い物となってしまった。

「厳冬」が予想される助っ人外国人と2人のベテラン

   また、守護神候補として獲得したクックは早くも4月に戦線離脱し、中継ぎの中川皓太(25)がクックの代役を担う事態に。デラロサの加入により、最後の投手を固定することができるようになったが、クックの離脱は大きな誤算となった。9月10日のDeNA戦でクックは先発を任されたものの、4回途中で降板し、結果を残せなかった。夏場の1軍昇格が期待された岩隈にいたっては、このまま1軍に登録されることなくシーズンを終えそうだ。

   昨オフの移籍組で「厳冬」を迎えそうなのが、ビヤヌエバ、クックの助っ人勢と中島、岩隈の両ベテランだ。今シーズン、若林晃弘(26)、山本泰寛(25)、増田大輝(26)ら若手内野手が台頭してきたこともあり、ビヤヌエバと中島はさらなる窮地に立たされる。投手陣においては今オフの大型補強も十分考えられ、その中にクックと岩隈が入り込む余地はなさそうだ。

   5年ぶりのV奪回に沸く原巨人だが、その陰でひっそりとチームを離れていきそうな選手も。昨オフの大型補強による移籍組の明暗がくっきりと分かれたシーズンでもあった。

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