30-10。完勝と言うべきか、辛勝と言うべきか――。
2019年9月20日、アジアで初開催となる「ラグビーW杯2019日本大会」が東京都調布市・東京スタジアムで開幕した。観客は4万5745人。超満員の中で、日本代表はロシア代表と対戦。キックオフ早々から、キャッチングミスをするなど立ち上がりに不安を感じさせたが、日本は4トライを挙げてロシアをねじ伏せた。
中でも右WTB(ウイング・スリークォーター・バックス)で出場した松島幸太朗選手が3トライ。プールでの「勝ち点5」(勝ち=4点、4トライ以上=ボーナスポイント1点)を獲得した。
J-CASTニュースでは、元日本代表HO(フッカー)の坂田正彰さんに話を聞いた。
松島選手は「普段はシャイで、普通の20代の男の子って感じ」
サントリーのラグビー部GM(ゼネラルマネジャー)時代、松島選手を引っ張ったのが坂田さんだった。当時を振り返り、
「まぁ、獲得したとか、そんな話じゃなくて...。彼は桐蔭学園高(神奈川)から南アフリカのクラブチームアカデミーに入った。ただ、日本国籍ということもあり、本人が『日本でプレーしたい』という意向があったので、話をしてみようか...と」
松島選手は、父がジンバブエ人、母が日本人。南アフリカのプレトリアで生まれた。だが、出生後は母の母国である日本で育ち、サントリーラグビー部へ入部。その後、日本代表選手へと昇りつめた。
そんな松島選手について、坂田氏は、
「やっぱり身体能力、バネがすごい」
一方で、
「普段はシャイで、普通の20代の男の子って感じ」
ダイナミックなプレーとは裏腹に、普段は口下手で、お茶目な一面も見せるという。
4トライで勝ち点5「ボーナス1点が、デカい」
坂田さんは、
「(松島)幸太朗のハット(3トライ)って言いますけど、それは単なる結果。でも、W杯開幕戦で勝って、何より『ワンチーム』で、4つのトライを挙げて『勝ち点5』を挙げられたことが一番でしょうね」
次戦は9月28日(静岡県・エコパスタジアム)で、現在、世界ランキング1位のアイルランドが相手だ。
一筋縄ではいかない相手だが「ワンチーム」の結束力をもう1度、日本のファンの前に示してほしい。
(J-CASTニュース編集部 山田大介)