貴重な郷土資料が「封印」も VHS、各地の図書館で閲覧終了...ダビングも壁高く

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「再生機器を1台は死守したい」

   大阪市立中央図書館の担当者は9月17日、J-CASTニュースの取材に「VHSデッキは修理を重ね、できるだけ長く使えるように努めていますが、新しい機器が手に入らないため限界が来ています。古くなって使えなくなった再生デッキもすでにあります。そのため、視聴・貸出の終了について時期を決めて早めにお知らせすることになりました」と話す。

   所蔵しているVHSは、「郷土資料については、将来のことも考えて館内の書庫にいくつか保存する予定です。それ以外のビデオテープについてはすでに10年以上使われ、数百回再生されているものもあり、テープ自体が劣化しています。よく働いてくれたということで順次破棄していきます」という。

   郷土資料に関しては、中央図書館の3階に「大阪コーナー」というエリアがある。ここにVHSやDVDが再生できる機器を1台置いて、20年3月を過ぎても希望者は書庫からVHSを出し、利用できるようにする予定。ただ、館内視聴のみで貸し出しをしない可能性もあり、中央図書館以外の市立図書館23館では視聴できなくなることは変わらない。また、「再生できる限りはVHSの視聴もできますが、再生可能な機器が残るかは分かりません」と再生環境が維持できるかどうかは依然、懸念が残る。担当者は「再生機器を1台は死守したいです」と話す。

   VHSの視聴・貸出を終了する図書館は、16年のデッキ生産終了に前後して複数見られる。ここ1年ほどでも、稲沢市立祖父江(そぶえ)の森図書館が「所蔵のビデオテープについて、テープの劣化のため館内視聴のみとしておりましたが、令和元年(2019年)6月30日をもって館内視聴も終了とさせていただきます」と発表。袋井市立図書館も5月19日をもって「ビデオテープの取り扱いを終了します」と発表。香芝市民図書館は18年4月末で、DVD・CDも含めた館内視聴の終了と、ビデオテープの貸出終了を発表している(DVD・CDの貸し出しは可能)。

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