島根県の竹島について韓国側が主張している名称「独島」を「韓国の土地」だと明記した記念硬貨の真贋をめぐり、波紋が広がっている。
記念硬貨はアフリカ・タンザニアで発行され、公共放送のKBSが「厳然たる法定通貨」だと報じたのに対して、タンザニア政府は日本政府の問い合わせに対して硬貨の発行を否定。タンザニアの中央銀行も「事実無根」だとする声明を出した。当のKBSは9月20日正午の時点でも、タンザニア側の反応を受けた続報を出さず、「ダンマリ」の状態だ。
「額面も表記されている厳然たる法定通貨」
発端となったのは9月14日の夜のニュースだ。アナウンサーが
「日韓対立が本格化した7月、『独島は韓国の地』と刻まれた記念硬貨が発売されたが、この記念硬貨を発行したのは韓国ではない」
と読み上げたのに続いて、問題の硬貨が映し出された。片面には「DOKTO 186,5m THE LAND OF KOREA 2019」の文字とともに竹島の絵、もう片面にはタンザニアの国章とともに「TANZANIA 3000 SHILLINGS」の文字が確認できる。3000タンザニア・シリングは、日本円では140円程度だ。VTRでは、
「額面も表記されている厳然たる法定通貨。ところが、この硬貨を発行した国は、驚くべきことに韓国ではなく、タンザニアなのだ」
というナレーションとともに、タンザニアで硬貨が発行されたことに驚く街の声を紹介。
さらにナレーションは
「海外の一部の中央銀行では、収益事業の一環として様々なテーマの記念硬貨を発行する場合がしばしばある、というのが業界の説明だ」
などと続き、ウガンダでは竹島の記念硬貨を発行したことがあるが、韓国は発行したことがないことを紹介。日本が先に「竹島硬貨」を発行すれば国際世論で劣勢になりかねないとして
「独島記念硬貨発行を積極的に検討する必要がある」
と訴える硬貨コレクターの声を伝え、ナレーションは
「記念硬貨発行基準が厳しすぎるという指摘に、2012年にこれを緩和する方向の法改正まで行われた。独島記念硬貨が他の国で発行され、韓国で売れる皮肉は続いている」
と結んだ。