外国人選手を「ウェルカム」する文化づくり
杉山さんは、「ラグビーは、外国人の選手の方がほかの競技に比べて多いように感じている」などと指摘。稲橋選手は「周りから、『日本代表』なのに、なんで外国人がいるのと言われることもある」としつつも、
「もともと同じチームメイトでやっていたりするので、ぼくたちの感覚からすると、本当に同じラグビーを共有する仲間という感じはある。日本代表なのに外国人という考え方を周りの方が感じるように、ぼくらはあまり感じない。仲間意識が強いのもあるかな」
と話していた。川村副会長も「SNSをやっていると、『日本代表は外人ばっか』みたいなことを言っている方々が当初はめちゃくちゃ多かった」などと踏まえつつも、「別に日本だけじゃなく各国もそうで、フランス代表とかニュージーランド代表も、その国籍の人たちでやれているチームはほとんどないんですよ」と他国の事例を交えて指摘した。
不安などを感じず、発言や行動ができる状況を「心理的安全性」と言う。個人としてもチームとしても能力を発揮しやすいとされる、この状況がチーム内で保たれているかどうか、2人に質問が飛んだ。
稲橋選手は所属チームのヘッドコーチ(南アフリカ出身)が、外国でコーチングしていた際の文化を、自身のチーム内でもつくり上げたことなどを説明。その上で、「新しく入ってきた選手や試合に出られない選手、外国人の選手たちが入ってきた時、ウェルカムする文化をつくろうというのを前面に押し出している」と語る。
「外国人選手が入ってくるときは、日本人選手が(相手)選手の母国語でウェルカムスピーチをしてみたりする。ラグビー選手は、お酒を酌み交わせば、一瞬で仲良くなる、みたいな。できるだけそういう場を早く(設ける)。ただ飲むだけじゃなく、向こうの文化を教えてもらったり、ゲームみたいなものを設けたりしながらやっています」(稲橋選手)