巨人の足踏みが続いている。巨人は2019年9月18日、ナゴヤドームで中日と対戦し1-3で敗れた。先発のドラ1ルーキー高橋優貴(22)が6回まで中日打線をノーヒットに抑える好投を見せるも、7回につかまり降板。打線は9安打を放ちながら1得点に終わり、巨人の優勝マジックは「4」のまま。試合後、原辰徳監督(61)はメディアを通じて吉村禎章打撃総合コーチ(56)に苦言を呈すなど、5年ぶりの優勝を目前にして不穏な空気が漂ってきた。
11日DeNA戦後には「バッテリーコーチに言っておいて」
軸が抜けた打線は最後までかみ合わなかった。チームリーダーの坂本勇人内野手(30)が今季初のベンチスタートとなり、山本泰寛(25)が8番ショートでスタメン出場。5回に田中俊太内野手(26)のタイムリーで先制するも、この回、2死満塁の場面で阿部慎之助(40)がライトフライ。結局、得点はこの1点止まりで、中日の3安打を大きく上回りながらも10残塁の拙攻で逆転負けを喫した。
2試合連続の1得点に不満たっぷりの指揮官は、怒りの矛先を吉村コーチに向けた。スポーツ紙の報道によると、試合後、指揮官はメディアを通じて「吉村打撃総合コーチによろしくお願いしますと言っておいて」と吉村コーチを名指しで苦言。指揮官のこの発言にG党が敏感に反応。ネットでは「ヒットは出てる。采配ミス」、「得点できないのは監督の責任」と厳しい声が出ている。
原監督がメディアを通じてコーチ陣に苦言を呈するのは、これで2度目。9月11日のDeNA戦で投手陣が崩壊し、4-10の大敗を喫した。この試合後、指揮官は今回と同様にメディアを通じて「バッテリーコーチに言っておいて」と苦言。相川亮二バッテリーコーチ(43)はこの発言を受け「自分の責任」と10失点の責任をひとりで全て背負い込んだ。
「緊張感というよりもピリピリしたムードに...」
優勝マジックが「4」のまま減らず、指揮官に焦りがあるのだろうか。現場を取材するメディア関係者は「最近の原監督に余裕が感じられません」と前置きした上で次のように続けた。
「コーチ陣は原監督の顔色を窺っているようですし、ナインの士気に影響しかねません。メディアを通してコーチ陣の反省を促す方法は原監督ならではかもしれませんが、名指しでコーチに苦言を呈するのはどうかと思います。ベンチのムードを見る限り逆効果のような感じがします。優勝が迫っていますしベンチに緊張感があるのは当然ですが、緊張感というよりもピリピリしたムードに見えます」
今季はあと8試合を残して優勝マジックが「4」。最短Vは20日で変わらず。19日の試合はC.C.メルセデス(25)が9月3日の中日戦以来の先発マウンドに上がる。3日の試合では3回途中7安打2失点で降板しているだけに一抹の不安を残す。5年ぶりのV奪回を目前にして原巨人に暗雲が垂れ込めてきた。