各紙社説では...
大手紙の社説(産経は「主張」)は、ふるさと納税を繰り返し取り上げている。5月に、泉佐野市などを新制度の対象外とした際は全紙が取り上げ、
日経「除外はやむを得ない」(5月15日)
読売「除外措置はやむを得まい」(5月16日)
産経「健全な競争を促すためには必要な措置」(6月1日)
毎日「除外は当然だろう」(5月20日)
など、是認論が目立った。ちなみに、東京は「制度設計の責任は国にあり、自治体に一方的に罰を科すような形での再出発には疑問が残る」(5月23日)と国の手法を疑問視。朝日は「返礼品が残る限り、お得感を競う風潮はなくならないだろう。......いまの制度ありきではなく、根本から考え直すべきだ」(5月17日)と、抜本見直しを一貫して主張している。
今回の係争処理委の決定を受けて社説で取り上げたのは3紙で、今のままではいけないとの認識は共通ながら、どうすべきかでは立場が分かれる。
毎日は「返礼品を廃止し、純粋な寄付制度に戻すことでしか税のゆがみは正せない」(9月4日)、朝日も「返礼品をなくすことも、検討する必要がある」(9月5日)と、廃止を含む抜本見直ししかないとの立場。これに対し産経は「総務省は......制度も不断に見直す。自治体は地場産品や観光資源の開発、情報発信に努める。国と地方の両輪が回転してこそ、節度を持ってふるさとを応援できる」と、制度を手直ししながら存続すべきとの立場だ。