FA戦士の今シーズン「通信簿」 丸はオール「5」?炭谷、西、浅村は...

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   プロ野球のペナントレースが最終局面を迎えている。セ・リーグでは巨人が5年ぶりのV奪回目前で、激しい首位攻防を繰り広げるパ・リーグは西武が優勝マジック「8」としている。今シーズンも残すところあとわずか。昨オフにフリーエージェント(FA)で移籍した選手は、それぞれの球団でどのような結果を残したのか。FA戦士の今シーズンを振り返ってみる。

   昨オフ、セ・パ合わせて4人の選手がFA権を行使して他球団に移籍した。セ・リーグでは、広島から丸佳浩外野手(30)が巨人に移籍し、西武から炭谷銀仁朗捕手(32)が同じく巨人に移籍した。パ・リーグではオリックスの西勇輝投手(28)が阪神に移籍し、浅村栄斗内野手(28)が西武から楽天に移籍。それぞれ複数年契約で巨額の契約金を伴っての移籍となった。

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ナイン、首脳陣からの信頼厚い丸、一方の炭谷は...

   まずは5年ぶりのリーグ優勝を目前に控える巨人の丸と炭谷からみてみよう。5年総額25億5000万円(金額は推定)で移籍した丸は、2019年9月17日現在、134試合に出場して打率.302の成績を残している。本塁打は27本で、昨年の39本には及びそうにないが、打率、打点はリーグ6位をキープしており、出塁率においてはリーグ4位につけている。

   昨年は打率.306を残すもリーグ14位。今シーズンは本塁打こそ減ったが、153安打をマークしており、現時点で昨年の132安打を上回っている。7つの犠飛はリーグトップで、チームに大きく貢献。四球は昨年、130個あったが今シーズンは83個と伸びず、これが出塁率の減少につながったとみられる。守備においてはここまで失策は2つで、堅実なプレーぶりは相変わらずだ。

   過去、巨人にFAで移籍して成績を残せなかった選手が多い中で、丸はキャリアハイに近い数字を維持している。すでに4月には「丸ポーズ」がチームに浸透し、ナインからの信頼も厚く、原辰徳監督(61)からは全幅の信頼を寄せられている。今シーズン、巨人がリーグ優勝を果たせば「優勝請負人」の新たな勲章が加わり、FA移籍組として新境地を開いたといってもいいだろう。

   同じく巨人に加入した炭谷は、捕手3人制の一角として投手陣を支えてきた。打撃面でいえば、53試合に出場して打率.252は想定通りか。リード面において原監督は、小林誠司捕手(30)よりも炭谷の方が「1枚半上回っている」と評価する。ただ、右手人差し指骨折から復帰した後は、配球面でミスリードもありスタメンでの出場機会が減少している。

18試合でQS達成の西は「合格点」、浅村は打率下げる

   リーグをまたいで阪神に移籍した西の今シーズンはどうだったか。先発ローテンションの一角として24試合に先発して8勝8敗、防御率3.05をマーク。打線の兼ね合いもあり、勝率は5割ちょうどだが、特筆すべきはクオリティ・スタート(QS)の達成率だろう。今シーズンは18試合でQSを達成しており、先発としての役割を十分に果たした。4年10億円(金額は推定)の年俸からすれば2ケタはほしいところだが、チームの貢献度からいえば十分に責務は果たしただろう。

   最後は西武から楽天に移籍した浅村だ。昨年、3割30本100打点以上をマークした浅村だったが、今シーズンはここまで打率.261とアベレージを大きく落としている。本塁打は32本の昨年とペースが変わらず30本をマークしている一方で、安打数が減ったことで打点が減り、昨年の127打点を大きく下回る84打点にとどまっている。数字だけを見る限り、4年24億円(金額は推定)の期待に応えられていないだろう。

   チームの補強という点においては、丸と西の貢献度は大きい。丸にいたっては、打撃、守備、練習に向かう姿勢など、どれをとっても満点に近いだろう。正捕手の座を勝ち取れずにシーズンを終えそうな炭谷に対しては評価が分かれるところだが、クライマックスシリーズ(CS)で挽回のチャンスはある。また、浅村はチームで唯一のフル出場を果たしており、CS進出の可能性を十分に残しているだけに、最後のアピールをしたいところだ。

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