「東京独特という訳ではなく...」
「~かしら」の語源や変遷は、どのようなものだろうか。J-CASTニュースでは、近代日本語史を研究している、日本女子大学文学部の清水康行教授にも話を聞いた。
清水教授によると、「~かしら」は、元々、「~か・知ら・ず」(か:疑問を表す係助詞、知ら:動詞「知る」の未然形、ず:否定の助動詞)の形であり、《~かは知らない》といった意味で古くから使われていた。江戸時代のころから、「~か知らぬ」「~か知らん」の形で、《知る》の意味が薄れ、単に《疑問》をあらわす用法が増えてくるという。江戸時代の終わりごろから、「~かしらん」「~かしら」で、近現代と同様の、疑問・不確かな感じの終助詞として定着した。
清水教授は、「東京方言」が日本語学的な意味においては、「東京独特かどうか、ではなく、東京という地域で使われている言語一般を指します」としたうえで、「~かしら」は「必ずしも、東京独特という訳ではなく、他の地方でも使われています」などと指摘しつつも、「<いかにも東京らしい言葉>として、受け取られていたことは、あったようです」と説明する。