熊谷の街を歩いていて、ふと、足を止めた。
物販展示場にラグビー日本代表のジャージを着ているドラえもん、リラックマ...等々のぬいぐるみが、所狭しと並んでいるではないか。45歳のオッサン記者、ちょっと周囲の視線を気にしつつ、ぬいぐるみを手に取ってみた。背番号「24」がプリントされていた。
ベンチに入れる選手は23人
2019年9月20日に開幕する「ラグビーW杯2019日本大会」だが、強国ニュージーランドをはじめとした出場国が続々と日本のキャンプ地に入ってきている。日本も8月29日、最終登録メンバー31人を発表。アジア初のW杯開催へ向け、盛り上がりが高まっている。
ところでラグビーは、15人対15人で行われる。五輪競技を含め、団体スポーツとしては最多人数。では、ベンチには何人は入れるのか? というと23人なのだ。ケガの多い競技だけに、常に8人の選手がリザーブとしてスタンバイしている。
そこにきて、「背番号24」のドラえもん、リラックマ。他にもキティちゃんや鉄腕アトム、スヌーピーらが、代表ジャージを着ている。「24」は実際には存在しない番号だが、つまり「応援団の1番」ということになる。
販売担当者によると、
「若い女性やお子さんも、思わず足を止めて見てくれています。これをきっかけに、ラグビー場へ足を運んでくれると、うれしいですよね」
グッズは空港、試合会場最寄り駅などのアンテナショップで販売。開幕直前だが、まだ販路を拡大していく予定だそうだ。
「ハイネケン」はデザインラベル商品を展開
キャラクターグッズばかりではない。酒造メーカー各社もこぞってW杯を盛り上げる。一部報道では「ラグビーファンのビール消費量はサッカーファンの6倍以上」とされている。W杯のワールドワイドパートナーである「ハイネケン」(オランダ)は、350ミリ缶、330ミリ瓶に優勝トロフィー(ウェブ・エリス杯)と大会ロゴをあしらったデザインラベル商品を販売している。
同商品の日本販売を手掛けるキリンビールはホームページで、
「当商品の発売を通じて『ハイネケン』がラグビーワールドカップ2019を応援していることを伝え、試合開催都市でのイベントや店頭での訴求など、さまざまな接点でお楽しみいただけるようブランディングを強化し、大会期間中は前年比約7割増の販売数量を目指します」
ラグビー観戦は独特で、「試合会場に入る前に飲む」、「試合会場で飲む」、「パブリック・ビューイングで飲む」、「試合後も飲む」...という文化が定着している。11月2日に行われる決勝(横浜国際競技場)では、売り子300人を投入予定。これは、通常のプロ野球・東京ドーム売り子の2.5倍に匹敵するそうだ。
それでも海外メディアからは「足りるか?」といった懸念もあるというから、いやはや、ラグビーのみならず酒量でも、世界は「強豪国」と言わざるを得ない。
また、地方都市でも地酒にラグビー仕様のラベルを貼ったり、ボトルそのものをラグビーボール型にしたり...と、工夫を凝らしてインバウンドを狙っている。