国鉄時代から60年「急行型電車」ついに消滅へ 七尾線「最後の2両」置き換え発表

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本来の用途から追われ...60年の歴史

   昭和30年代に全国で増発が始まった準急・急行列車用として、1958年から導入された153系電車がこの急行型電車のはしりとなった。以後、山岳路線用の165系、交流電化路線向けの455系などが開発される。車両形式は違っても前述のデザインと内装は共通で、急行型は日本全国でポピュラーな存在になった。当時は特急よりも本数が多く安い急行料金で乗車できたので、大衆には身近な長距離優等列車だった。

   しかし昭和50年代から急行列車の廃止や新幹線の建設が進むと、これらの急行型電車は徐々に活躍の場を追われていく。本来の目的だった急行列車からは1996年3月に165系電車の急行「東海」の特急格上げを最後に撤退、以後は普通列車や臨時列車運用がメインになるが、普通列車では2扉デッキ付きの設備が災いして乗降に時間がかかる短所も露呈した。

   このような経緯で、国鉄のJRへの民営化後も東日本・東海・西日本・九州の各社で現役だった急行型電車は既にJR西日本以外では全廃、ほぼオリジナルのスタイルをとどめるのは七尾線の2両を残すのみだった。同線の在籍車両は大半が車齢50年を超えるなど老朽化が進んでおり、521系導入に伴い前述のクハ455 701とクハ455 702も含めた全車両が廃車されるとみられる。60年以上鉄路を走り続け、「急行型」で鉄道ファンにその意味が通じた急行型電車の命脈は、2020年で終わることになる。

(J-CASTニュース編集部 大宮高史)

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