DeNA、救援陣を「酷使」し過ぎ? 数字が如実に物語る「巨人との違い」

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   DeNAの中継ぎ陣が疲弊している。DeNAは2019年9月11日、横浜スタジアムで巨人と対戦し2-4で逆転負けを喫した。先発・今永昇太(26)が7回2安打2失点の好投を見せたが、エドウィン・エスコバー(27)が8回に岡本和真内野手(23)にソロ本塁打を浴び、2点を許して救援に失敗。首位・巨人との直接対決の初戦を落とし、3位・広島とゲーム差なしとなった。

   今シーズン、DeNAの中継ぎの核としてフル回転してきたエスコバーが力尽きた。この日の最速は158キロを計測し、相変わらずの球威を誇ったが、全体的に球が高く浮き、1死3塁から丸佳浩外野手(30)に簡単に犠牲フライを許し、続く岡本にはレフトスタンド中段まで運ばれた。この2点がダメ押しとなり、9回の反撃もあと一歩及ばずゲームセットになった。

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エスコバーはリーグ最多の66イニング

   DeNAの残り試合はあと12試合。逆転優勝に向けて総力戦の様相を呈しているが、心配されるのが救援陣の登板過多だ。今シーズンのセ・リーグの主な救援陣の登板回数を見てみると、DeNAの救援陣が最多となる。30試合以上登板した投手は7人で、合計のイニング数は「372」に上る。広島、阪神も同じく7人の投手が30試合以上、マウンドに上がっているが、イニング数でいえば広島が「320」、阪神が「335」となっている。

   エスコバーは9月10日時点で67試合に登板し、66回3分の2を投げている。これはセ・リーグの救援陣の中で最も多い数字で、昨年の53試合を14試合も上回っている。DeNAにおいては、エスコバーの他に三嶋一輝(29)が63試合に登板し、63回3分の1を投げており、これに48試合の国吉佑樹(27)が続き、スペンサー・パットン(31)は8月4日に戦線離脱するまで42試合に登板していた。

   DeNAファンからはかねてからエスコバー、三嶋、国吉の登板過多による疲労が心配されてきたが、シーズンの終盤を迎えてその不安が現実のものになりつつある。パットンが抜けたことで中継ぎ陣にかかる負担はより大きく、中継ぎ陣の「酷使」ぶりは数字が如実に物語っている。

巨人はトレードと助っ人獲得で登板減へ

   一方、主だった救援陣のイニング数が最も少ないのが巨人だ。今シーズン、30試合を超えるのはわずか4人だけ。中盤まで守護神の座を任された中川皓太(25)がチーム最多の60試合に登板。これに続くのが田口麗斗(23)の47試合、高木京介(30)の49試合で、沢村拓一(31)は36試合の登板にとどまっている。シーズン中盤でのトレードやルビー・デラロサ(30)の獲得により救援陣に負担が減り、大竹寛(36)の復調も大きい。

   新守護神デラロサはここまで21試合に登板し、ポストシーズンに向けて余力は十分。勝利の方程式の一角を担う大竹も今シーズンは27試合に登板しただけで、疲労は感じさせない。30試合以上、登板した4人の合計イニング数は「192」で、DeNAの「372」を大きく下回る。このデータが現状の両チームの「差」となっているのだろう。

   数字で見ると、DeNAの中継ぎ陣に大きな負担がかかっていることは明らかで、首位を走る巨人とは対照的である。シーズン中の積極的な補強で中継ぎの負担を減らした原巨人。一方で、限られた環境で中継ぎ陣をマウンドに上げざるをえないDeNA。逆転優勝が大きく遠のいている。

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