台風被災の勝浦市ホテル、大浴場「無料開放」 「日頃お世話になっている地元の力に」

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   台風15号の被害で大規模な停電・断水が起きている千葉県勝浦市の「勝浦ホテル三日月」が2019年9月11日、近隣住民向けに大浴場を無料開放していることをツイッターで発信し、多くのユーザーが拡散して情報共有されている。

   利用できるのは同市と、隣接する大多喜町、御宿(おんじゅく)町の住民。同ホテルは取材に、現在いすみ市民も利用できる体制にしているとし、「日頃お世話になっている地元の方々の力になりたい」と思いを明かす。

  • 勝浦ホテル三日月のツイッターより
    勝浦ホテル三日月のツイッターより
  • 勝浦ホテル三日月のツイッターより

「迅速対応、ありがたい」

   8~9日にかけて首都圏を襲った台風15号の影響で、特に千葉県では11日現在も影響が続く。東京電力公式サイトの情報によると県内で約44万6000軒が停電。県公式サイトでは断水の発生を知らせている。

   主に県内でホテルを展開するホテル三日月グループの「勝浦ホテル三日月」は11日未明(10日深夜)ツイッターに

「《お願い》昨日より今回の台風被害にあわれた方に大浴場を無料解放しております。9月11日より勝浦、御宿、大多喜にお住いの家族に限り、大浴場を無料開放致します。ご利用の際は必ずタオルをご持参下さい」

と投稿し、活用を呼びかけた。入浴時間は15時~21時の6時間で、「停電、断水が解消されるまでの期間、ご利用下さい」としている。

   10日昼にも無料開放を知らせる投稿をしていたが、11日未明の投稿は3万4000回以上リツイートされ大きく拡散。「素晴しい判断 素晴しいホテル ありがとう」「迅速対応、ありがたい」「ホテル三日月~!利用します!」と称賛の声があがったが、一方で「洗濯もままならない タオルも貸してあげて下さい」との要望も一定数届いた。同ホテルは11日午前にツイッターを更新し、

「当館では、台風15号で被害にあわれた方を1名でも多く受け入れる関係で、タオルの供給が間に合わないことが予想されます。そのため、タオルをお持ちいただける方は、ご協力のほど何卒宜しくお願い申し上げます」

とタオルの持参に理解を求めた。

「こういう時だからこそ...」

   J-CASTニュースの取材に応じた勝浦ホテル三日月の担当者によると、同ホテルは断水こそ起きなかったが9日朝は停電。同日13時ごろに復旧した。同じ勝浦市内でも区画によって復旧具合が異なる。

   大浴場無料開放は10日15時ごろに始め、この日254人が利用した。受け入れ可能人数の関係もあり、対象を勝浦市、大多喜町、御宿町の住民としていたが、取材時点でいすみ市まで範囲を広げた。また、グループの鴨川ホテル三日月でも同じように無料開放しており、10日は約700人が利用したという。

   担当者は「こういう時だからこそ、日ごろお世話になっている地元の方々の力になりたい、みんなで力を合わせたいと思っています。一番は地域の方々です。三日月グループは地域貢献も重視しており、地元あっての三日月です」と開放の経緯を話す。タオル持参については「供給が間に合わず、もしお持ちにならずにお越しいただいて、『タオルがない』となってしまうと困らせてしまいかねません...」と複雑さをのぞかせる。

   なお勝浦ホテル三日月の従業員については、社員寮や家族寮のライフラインが復旧しており、生活するうえで問題はないとしている。

(J-CASTニュース編集部 青木正典)

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