「荻」生田氏、文部科学大臣で初入閣へ???――安倍晋三首相の側近議員、萩生田光一・幹事長代行(自民、56)の閣僚人事ニュースを各メディアが報じると、こんな勘違い投稿をする人が相次いだ。
「萩(はぎ)」と「荻(おぎ)」は、その似た見た目から間違え易い字として知られる。今回、改めて検索してみると、ある野党の公式サイトで、2016年に萩生田氏の発言を批判するコメントを発表した際、表題が「荻生田」と間違っており、未だそのままに...。初入閣が実現すれば、知名度も一層あがり、こうした勘違いは消える...かもしれない。
「初入閣へ」報道が相次ぐ
内閣改造を直前に控えた2019年9月10日、各メディア(ウェブ版など)が、閣僚人事に関する「内定」「固まった」「検討」情報を次々と報じた。萩生田氏については、NHKが「(首相が)文部科学大臣に(略)起用する方針を固めました」(早朝配信)と報じ、時事通信やフジテレビ系「FNN PRIME」など多くのメディアが、「萩生田氏が文科相に」という方向性を伝えた。
萩生田氏は安倍首相の側近として知られ、文部科学政務官や官房副長官などを歴任してきた。衆院当選5回組で今回、大臣に就任すれば初入閣となる。首相側近として、これまでもその発言に注目が集まり、ニュースで報道されることも度々あった。最近では7月の「改憲論議に絡めた衆院議長交代論」が記憶に新しい。
また、いわゆる「加計学園問題」をめぐって当時、文科省と絡んでその名前が報道に度々登場した。たとえば2017年6月には、萩生田官房副長官(当時)と文科省局長とのやりとりを記録したとされる文書を文科省が公表。獣医学部新設に向けた安倍首相の意向を萩生田氏が伝えたとされる内容も含まれていたが、萩生田氏は「不正確なもの」「(加計学園に関連して)総理からいかなる指示も受けたことはない」と、強く否定するコメントも発表した。
産経新聞の小見出しでも「荻生田」
首相側近としてその発言が注目される上、こうした「萩生田氏と文科省」に関するニュースも念頭にあってか、萩生田氏の「文科相就任へ」ニュースが流れると、ツイッターでは様々な反応が寄せられた。こうしたツイートの中には、萩生田氏について
「文科相に荻生田なんだな」
「うひょ、荻生田さんが文科大臣か(ハートマーク)」
と、「萩」の字を間違ったものが、少なからぬ数、見受けられた。今回の入閣関連ニュース以前のツイートには、「『荻生田』ではなく『萩生田』」と、注意を促すものもあった。
「萩」と「荻」の漢字は、見た目が似ていて混乱してしまう人が多いのは以前から時折、ネットでも話題に上ってきた。TBSラジオのサイトには、「萩と荻。LとR。鳥取...取鳥?咄嗟にわからないあるある」(2017年2月8日配信)というタイトルで記事が載っており、「いつも迷ってしまう、そっくり過ぎて紛らわしいと思う漢字1位『萩と荻』」(マイナビウーマン、14年5月29日)という読者調査の結果を報じたものもある。
過去の新聞報道について、日経テレコンでJ-CASTニュースが検索してみると、1記事で誤記が見つかった。萩生田氏が初当選した2003年11月の衆院選「終盤情勢」に関する産経新聞の記事(03年11月7日)で、東京24区に関する小見出しで「荻生田・阿久津両氏の接戦 24区」と「荻」の字になっていた。本文2か所と一覧表1か所では「萩生田」と正しく表記されていた。
社民党から間違えた名前で批判される
また今回、社民党サイトの「声明・談話」コーナーでも、タイトルに「荻生田」と誤記が残っていることも分かった。発表したのは2016年11月24日付(以下、肩書はいずれも当時)で、「荻生田官房副長官の『田舎のプロレス』『茶番』発言について(コメント)」とする、吉田忠智・党首名で発表した文書だ。TPP(環太平洋パートナーシップ協定)に関係する動きで、本文では2か所とも正しい表記だった。19年9月10日夕に確認したところ、タイトルの誤記はそのままだった。
萩生田氏の公式サイトをみると、トップページでは「はぎうだ光一」と大きく表示されている。プロフィール欄では漢字表記の他に「Koichi Hagiuda」とある。また、2017年の衆院選時の動画をみると、選挙カーなどの表記も「はぎうだ光一」になっていた。