岐路に立たされているAMラジオ
ただ、伝達手段が増える一方で、AM波そのものの存在価値は問われている。19年8月30日に行われた、総務省の有識者会議「放送事業の基盤強化に関する検討分科会」(第7回)では、AMラジオ局の放送設備の老朽化などを踏まえて、FMラジオ局への転換を容認すると決めた。
現状のAM局は、FM補完放送も併用しているが、この「二刀流」の経済的負担を減らすのが目的で、日本民間放送連盟(民放連)が要望していたものだ。20年秋をめどに具体案を公表し、23年には「実証実験」として停波する局も出る方針となっている。
一方で、有識者会議の「AMラジオ放送のあり方に関する取りまとめ(案)」では、今後検討すべき課題として、(1)カバーエリアの観点(2)対応受信機の観点(3)周知広報の観点(4)周波数の効率的な利用の観点の4つをあげている。これらの議論を進めていくうえで、今回の台風15号、そしてニッポン放送の事例は、大きな検討材料になりそうだ。
(J-CASTニュース編集部 城戸譲)