ニッポン放送「台風ダウン」とAMの未来 radiko、FM転換...今後の議論に影響も

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神奈川では「聞こえなくなった」との声も

   木更津送信所では電波の出力が100kW(キロワット)だが、「予備」と位置付けられている足立送信所は1kWと、100分の1となる。電波の届く範囲は、出力に応じて変化するため、当然ながら聞こえるエリアは小さくなる。実際に「あなたとハッピー」では、神奈川県大和市や伊勢原市、横浜市のリスナーらから、「突然聞こえなくなった」といったメッセージが送られてきていると紹介していた。

   在京AM局はニッポン放送をはじめとして、東京都内ではなく、郊外にメインの送信所を置いている。文化放送は埼玉県川口市、TBSラジオは戸田市にあり、それぞれ100kWで出力している。ちなみに文化放送は東京都新宿区、TBSラジオは港区に、それぞれ出力1kWの予備送信所を持っている(いずれも総務省サイトの「無線局免許状等情報」参照)。各局ともに、もしもの時のバックアップ体制は用意しているが、聴取できるエリアは大幅に縮小する。

   この10年ほどで、AMラジオを取り巻く環境は、大きく変化した。とくに2010年のradikoスタートにより、インターネット経由でも放送が流れ、難聴エリアのカバーだけでなく、受信機を持たない新たなリスナー層へのアピールも可能になった。

   AMラジオでは、難聴や災害対策のために、FM波での補完放送も開始した。在京3局は15年12月から、「ワイドFM」の愛称で東京スカイツリーからの送出をはじめ、各番組内でもAMと準ずる形で、FMの周波数も紹介している。radikoもワイドFMもエリア補完が目的のひとつだが、音質が向上するのもメリットとなっている。

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