DeNAは2019年9月9日、三上朋也投手(30)の出場選手登録を抹消した。三上は8日に1軍に合流し、同日の中日戦に2番手としてマウンドに上がった。4月9日の阪神戦以来、約5カ月ぶりの1軍マウンドとなった三上は、1イニングを投げて3安打3失点。アレックス・ラミレス監督(44)は2軍落ちを決めた。
エスコバー、国吉、石田らも疲労の色が...
逆転優勝への欠かせないピースのひとつとして期待された三上が、1軍昇格の翌日に降格となった。8日の中日戦では、先発・齋藤俊介(25)の後を受けて6回のマウンドに上がった。先頭の大野雄大投手(30)は空振り三振に打ち取ったものの、その後は制球が定まらず安打と四球を繰り返して3点を失った。
三上は中継ぎの核として、ここ3年間はフル回転の活躍だった。2016年は59試合、17年は61試合に登板。昨シーズンは65試合に登板し、2年連続で60試合以上の出場を果たした。今シーズンは開幕から5試合に登板したところで右肘の違和感を訴え戦線離脱。5月に右肘のクリーニング手術を受け、8月に2軍のマウンドで実戦に復帰したばかりだった。
今シーズン、中継ぎ陣の中心にいるのが三嶋一輝(29)とエドウィン・エスコバー(27)だ。三嶋は63試合、エスコバーは三嶋を上回る66試合に登板している。中継ぎを支えていたスペンサー・パットン(31)が試合中に冷蔵庫を素手で強打して右手小指を骨折。中継ぎが1枚欠けた影響は大きく、三嶋、エスコバーをはじめとし、国吉佑樹(27)や石田健大(26)、武藤祐太(30)らに負担がかかっている。
「救世主」との期待も肩透かしに
なかでも9月4日の阪神戦から4連投となった三嶋に対しては、ファンから「もう限界」、「使いすぎ」との批判めいた声がネット上で上がっており、実際、ここ最近はマウンド上の三嶋は精彩を欠くシーンが多くみられる。三上の昇格はこのような苦しい台所事情があってのものとみられるが、「救世主」として期待していたファンにとって、昇格翌日の降格は指揮官に肩透かしを食らった形だ。
疲弊する中継ぎ陣に加え、先発の枚数も不足しつつある。10日の巨人戦はエース今永昇太(26)が満を持して中8日で先発する。逆転優勝がかかる天王山初戦は絶対的エースを持ってくるも、2戦目3戦目の先発に不安を残す。本来ならばGキラーの東克樹(23)や左の濱口遥大(24)を先発に送り込みたいところだが、両選手ともに体調が万全ではなく、登板の可能性は不透明だ。
三上の降格により中継ぎ陣にかかる負担はこれまでと変わらず、ファンの不安は募る一方だ。逆転優勝、そしてクライマックスシリーズ(CS)進出へ向けて残り13試合。満身創痍のDeNA中継ぎ陣の「悲鳴」が聞こえてきそうだ。