「空のF1」の異名を持つプロペラ飛行機のレース、「レッドブル・エアレース」世界選手権の千葉大会が2019年9月7日から8日にかけて幕張海浜公園(千葉市美浜区)で開かれ、日本人唯一のパイロット、室屋義秀選手(46)が2年ぶり3回目の優勝を果たした。19年通算の成績でもマット・ホール選手(豪州)に次ぐ2位を獲得した。
エアレースの大会は03年に始まり、今回が94回目。レースは19年のシーズンが最後で、今後は開催されないことが発表されており、今回が見納めだ。記者会見は終了の理由についての質問も出たが、終了決定の判断は「組織のより高いレベルで下された」とするにとどめ、具体的な説明は避けた。
パイロンの間を通過しながらコースを往復する時間を競う
日本では15年から幕張で毎年開催。公園の沖に設置されたコースに約2キロにわたってパイロンと呼ばれる高さ25メートルの障害物が設置され、飛行機はパイロンの間を通過しながらコースを往復する時間を競う。
過去4回の大会では、飛行機は浦安市中央公園の護岸に設けられた臨時滑走路から離着陸した。18年大会では、周辺にホテルが開業したため、ホテルを借り切って無人にすることで開催にこぎつけた。だが、19年は護岸周辺を公園にする浦安市の計画も影響し、陸上自衛隊木更津飛行場(木更津市)が利用された。
レース終了が発表されたのは19年5月末。19年は2月のアラブ首長国連邦(UAE)、6月のロシア、7月のハンガリー、9月の日本、10月の米国、11月のサウジアラビアの計6戦が予定されていたが、米国とサウジ大会の開催は中止になった。