このところ「キャッシュレス決済」の単語を耳にすることが多くなった。セブン‐イレブンで使える「7pay(セブン・ペイ)」が不正利用などにより、わずか3か月でサービスを終了へ。また2019年10月からは、政府によるポイント還元施策も行われるため、各社が対応を進めている。
そんな昨今、キャッシュレス決済について、どのような印象を持っているのだろうか。J-CASTニュースでは19年8月6日から9月6日までの1か月、読者を対象にアンケート調査を行った。5つの設問に対して、それぞれ1700~1900票前後が集まった。
よく使うのは「クレカ」が半数近く
「キャッシュレス決済、使っていますか?」(1923票)では、日常的に使っている(57.57%)がトップに。ここに「たまに使っている」(21.11%)、「使ったことはあるが、いまは使っていない」(5.10%)を合わせると、読者の8割超が利用経験ありとなる。一方で「一度も使ってなく、今後も予定がない」も11.70%と一定数あるほか、「一度も使ってないが、これから使ってみたい」も4.52%となった。
キャッシュレスとひとくくりにしても、その形態は多岐にわたる。「キャッシュレス決済のうち、よく使うタイプはどれですか?」(1832票)の質問には、45.36%が「クレジットカード」と答えた。そこに「おサイフケータイ/Apple Pay/Google Pay」(16.05%)、「QRコード/バーコード決済」(14.03%)が続く。還元率をアピールするコード決済と、利便性に長けた接触型決済がほぼ互角となった。
また、プリペイドカードも、ICカード式が11.46%、磁気式が4.69%と一定の票を得たほか、デビットカードも5.35%、「その他」が3.06%となった。おサイフやQRなどのスマホ決済は30%の支持にとどまり、従来からのカードタイプが3分の2を占めているのも興味深い。
一番使っているコード決済は「PayPay」
「一番使っているコード決済」についても聞いてみた(1774票)。トップは「使っていない」(40.08%)だったが、これを裏返すと、すでに6割がコード決済を使っているとも読み取れる。各サービスの得票を見ると、「PayPay」(19.33%)を筆頭に、「LINE Pay」(7.33%)、「d払い」(6.03%)、「楽天Pay」(5.98%)が続いて、少し開いて「Origami Pay」(3.66%)、「メルペイ」(2.03%)、「ファミペイ」(1.47%)の順となった。なお、「その他」も14.09%あった。
ソフトバンク系のPayPayや、NTTドコモのd払いなどは、高還元率を打ち出すCM攻勢で認知度が高まっている。しかし、同様に広告出稿が多く、たびたび「70%還元」を打っているメルカリのメルペイは、今回の読者投票では、あまり票を得られなかった。あくまで筆者の推論だが、消費者の中でメルペイは「キャンペーンの時に使う用」と位置付けられていて、普段使いは他のサービスを利用しているため、「一番使っているコード決済」としては挙がらなかったのではないだろうか。
7pay騒動で半数が「印象悪くなった」
「キャッシュレス決済に最も求めることは?」(1786票)では、「セキュリティー」(42.11%)が「還元率」(29.40%)を上回った。両者の差は、投票が進むにつれて開いていて、ここ最近でセキュリティーへの意識が高まってきたことが読み取れる。上位2つで7割を占め、残りは「加盟店数」9.69%、「レジの処理スピード」9.57%、「決済までの手間」6.44%、「チャージ手段の豊富さ」2.80%となった。
「7pay騒動を受けて、キャッシュレスへの印象は変わりましたか?」(1742票)の問いでは、「以前より印象が悪くなった」(50.92%)が、「変わらない」(47.99%)を若干上回った(※残る1.09%は「以前より好印象になった」)。普及が進むにつれて、消費者が還元率よりセキュリティーを重視しつつある傾向がわかる結果となっている。
(J-CASTニュース編集部 城戸譲)