外食チェーンも「タピオカブーム」 参入障壁は低いが、課題もありそう...

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   空前のタピオカブームのなか、外食チェーン店やコンビニエンスストア大手などが続々と「タピオカドリンク」の提供に乗り出している。台湾発のタピオカ専門店などと比べ、「価格が安い」などとして人気だが、広がりには課題もありそうだ。

  • タピオカに熱視線(画像はイメージ)
    タピオカに熱視線(画像はイメージ)
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ファミレス、ファストフード、回転寿司までも

   タピオカのスイーツは、台湾で人気となり、日本へ上陸した。南米産のキャッサバから抽出したデンプンを粒状にし、ゆでて、もちもちの食感を出す。通常はこの粒をミルクティーやウーロン茶などの冷たいドリンクに入れ、極太のストローで吸って楽しむ。

   1990年代初頭にも一時流行しており、今回は第3次ブームと言われている。以前と比べて、日本人好みの食感になったほか、色とりどりのドリンクから顔を出すツブツブのかわいらしさが「インスタ映え」し、若者たちが飛びついたとされる。「タピオカが入っていれば腹持ちする」と、小腹がすいた際におやつ代わりに食べる若い男性会社員らもブームを下支えしている。

   台湾発のティー専門店「ゴンチャ」や「春水堂(チュンスイタン)」などが日本に進出し、全国に複数の店舗を開いて、長い行列ができ、それがインスタなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で伝えられて、さらに人気を高めたともいえる。

   そんな中、日本の外食チェーンなどもタピオカに相次ぎ参入している。ファミリーレストランでは「ココス」が2019年7月、オリジナルのタピオカを入れたデザートを発売したほか、「バーミヤン」でも「コスパがいい」と人気だ。

   ハンバーガーチェーンでは今春以降、「ロッテリア」や「モスバーガー」も投入。意外性もあって注目されるのは「かっぱ寿司」をはじめ、回転寿司チェーンだ。「スシロー」が台湾の専門店とコラボしたタピオカドリンクは人気で品切れを起こしたほど。「はま寿司」も台湾直輸入のタピオカが注目を集める。

   「ミスタードーナツ」をはじめ、「ドトールコーヒー」などカフェ系のチェーン、流行におくれまいとするコンビニ大手も相次いで提供を始め、いずれも人気だ。

タピオカは「利益率高い」が、扱いは意外と難しい

   異業種ともいえる店を含め、チェーン店が次々とタピオカに参入しているのは、「そもそもタピオカの原価は安く、利益率が高いことがある」と流通関係者は話す。外食など多くの店は通常、ミルクティーなどのドリンクを既にメニューとして持っており、基本的にはこうしたドリンクにタピオカを足せばいいので、大規模な設備投資が必要ないことも大きい。

   ただ、もちもち感などが特色のタピオカは扱いがそれほど簡単ではない。大手コンビニの「ローソン」は8月27日に発売した「黒糖タピオカ」の販売をその日のうちに中止した。タピオカは冷凍保存しておき、店員が解凍して提供する方式だったが、解凍の仕方が悪かったためか、客から「硬い」「芯のようなものがある」といった苦情が出たためという。

   一方、本家の台湾では脱プラスチックへの関心の高まりから、タピオカドリンクにつきものの極太ストローの使用に批判が上がっている。使い捨てストローの提供に制限をかけようという動きも出ていて、「どうやって飲めばいいのか」という声も上がっている。この点に関しては日本も事情は同じで、廃プラへの配慮がタピオカブームに影響を与える可能性もある。

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