2019年9月5日、東京の青山学院大学青山キャンパスで、女性、シルバー世代、障碍者という様々なフレームを超えて活躍するステージとしてのeスポーツを考える、「ユニバーサルeスポーツ研究会」が開催された。この記事では当日の様子をリポートする。
女性への広がりが今後の発展占う?
最初に登壇したのはeスポーツチーム「Rush Gaming」を運営する西谷麗さんと、毎日新聞社出身で「全国高校生eスポーツ選手権」の立ち上げメンバーでもある田邊真以子さん。そしてeスポーツライター兼編集者の渡辺静さんと、それぞれ異なる立場でeスポーツを盛り上げている3人の女性だった。
西谷さんは自身で開催したチームのユニフォーム販売イベントの映像を流し、「スタッフに女性がいると企画や発想に幅が出る」と女性の存在がeスポーツにとって力になると解説。しかし女性ゲーマーについてはまだまだマイノリティな存在だそうで「もし強い女性ゲーマーがいたらチームに誘いたい」と、今後の女性ゲーマーの活躍に期待を寄せていた。
田邊さんは毎日新聞を退職してコンサルタントを務めているが、eスポーツとの関わりは未だ強く保っているそうで「eスポーツは新時代を象徴する新しい文化。このまま発展させていきたい」と、若者や女性が活躍する場としてのeスポーツの存在感は強いと力説していた。
ライターの渡辺さんは「自分はゲームを観て楽しむ"観戦勢"です」と自己紹介。「現場でeスポーツを観て楽しんでいる女性は、肌感覚で10人に1人か2人。少ないけれども確実に存在している」と語り、「ゲームを遊んでいる女性は実は多い。女性でもハマれる要素はあるのでeスポーツの世界に入り込める可能性は大きい」と、今後のeスポーツの発展には女性に目を向けてもらうのが有効ではないかと示唆した。
障碍者が活躍するステージとしてのeスポーツ
セッションの後半にはプロゲーミングチーム「Unsold Stuff Gaming」代表の高橋大輔氏と凸版印刷情報コミュニケーション事業本部課長の奈良泰秀氏が登壇。
高橋氏は自身の経験を踏まえ、「eスポーツは健常者と障碍者がハンディキャップの壁を越え、誤解無く分かりあえる」手段として機能していることを紹介した。
奈良氏は社内でeスポーツ部やプロジェクトを立ち上げ活動する傍ら、地元で子供たちにサッカーを教えているそうで、サッカーで活躍できなくて辞めてしまった子供が、eスポーツで活躍している例について嬉しそうに語った。
(eスポーツライター 早川清一朗)