全国で相次ぐ「地域電子通貨」発行 単なる「見せ物」に終わらせないためには...

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   企業や自治体がブロックチェーンなどのIT(情報技術)を活用した地域電子通貨を相次いで発行している。

  • 筑邦銀行が発行した地域電子通貨「常若通貨」(プレスリリースより)
    筑邦銀行が発行した地域電子通貨「常若通貨」(プレスリリースより)
  • 筑邦銀行が発行した地域電子通貨「常若通貨」(プレスリリースより)

あえてブロックチェーン採用、その狙い

   筑邦銀行(福岡県久留米市)は2019年8月23日、ブロックチェーンを活用した地域電子通貨「常若(とこわか)通貨」の提供を開始。利用第1弾として、同月23~25日に開催された「第6回宗像国際環境会議」の来場者などに50万円分を無料配布し、飲食店などの決済に使われた。

   維持・管理コストを上げないため、ブロックチェーンを採用しない地域電子通貨は多い。それでも、筑邦銀行が、常若通貨にブロックチェーンを活用したコミュニティ通貨プラットフォーム「Orb DLT」を用いて開発したのは、地元経済における存在感を発揮したいからだろう。

   ブロックチェーンを常若通貨に搭載していれば、筑邦銀行は購入履歴などの情報を蓄積でき、地元企業の融資業務に生かすことが可能だ。九州の金融機関初となる地域電子通貨の発行には、マイナス金利などで続く厳しい経営環境からの脱却を図ろうとする意図が見えてくる。

   閉塞感漂う地域経済に一石を投じようとするのは、金融機関だけではない。埼玉県深谷市はことし5月、地域電子通貨の導入に向けた実証実験として、「negi(ネギー)」と銘打った電子プレミアム商品券を1億1000万円分発行した。

   negiは常若通貨と同様に、QRコード決済を導入。スマートフォンにダウンロードする専用のアプリと、店舗側が読み取るためのQRコードが印字されたカードの2種類の決済方法を整え、老若男女が使いやすいようにしている。

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