CMの「アレクサ男」は、なぜこんなに嫌われるのか 専門家が分析するそのパーソナリティー

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男性の価値観は母親のコピーでしかない

   まず、CM中の男性について鈴木氏は、成人男性であるにもかかわらず、主体性が全く感じられないとした上で、

「彼の価値観は母親の基準そのもののコピーであり、肉じゃがを作っていたにもかかわらず、それをカレーに変えられてしまっても、『うまい!』と無条件に従ってしまっているところが違和感の原因でしょう。また、ストーリーのバックグラウンドを推測すると、彼が肉じゃがを作ろうと決断した理由は、恐らく、母親が父親を射止める理由となった料理(肉じゃが)であると考えられ、母親が彼に内在していることを暗示しています」

と、ストーリー全体を分析した。続いて、「母親の味を交際相手に押し付ける気か!」といった反応が上がっている点については当然の反応とした上で、

「CMに出てくる当該男性のような男性は現実世界にももちろん存在しますが、この手の男性は『自己の成長(今回の場合は、料理が上手になったという点)』を母親に認めてもらいたいと考えています。ゆえに、この手の男性は料理をしても交際相手を満足させることは目的としておらず、実際に料理が上手になったかはさておき母親から褒められさえすれば良いと考えてしまいがちです」

と、その「自己中心性」を指摘した。また、すこぶる評判が悪い「中継の強制終了」については、

「実は、これは、彼に僅かながら残っている主体性が発揮された瞬間です。母親に無条件に従うことに疲れ、ふと我に返ったのでしょう。ただ、全体的な主体性のなさを覆すほどの要素ではありません」

と一刀両断。また、母親については、

「『料理の作り方を聞かれた』という、『頼られた』ということに喜びを感じている一方で、息子の交際相手にはあまり関心はないように感じられました。『で、今度はどんな子なの?』と聞いてはいますが、社交辞令的なレベルのものでしょう。息子が子供だったころに例えれば、『今回のテストは何点だった?』という程度のものではないでしょうか」

と分析しつつ、

「ただ、このセリフは『今までに何人も交際相手がいた』、つまり、男性の性格に何らかの問題があって長続きしないという状況を想起させており、この点が不気味がられている点でしょう。CMの最後にはデートのプレイリストを流すようAlexaに銘じていますが、この点も併せ、視聴者はCM中の男性から『強引さ』を感じ取っているのではないでしょうか」

と指摘した。

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

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