国民民主党の玉木雄一郎代表が2019年9月6日の記者会見で、「メディアの皆さんにも頑張っていただきたい」と記者団に奮起を促す場面があった。自民党の上野宏史衆院議員(48)が外国人労働者の在留資格認定証明書の交付をめぐる口利き疑惑を週刊文春に報じられ、厚生労働政務官を突然辞任した問題でのやり取りだ。
上野氏は、政務官辞任直後に「法令に反する口利きをした事実はない」などとするコメントを出しただけで、記者会見などでの説明をしていない。ワイドショーを中心に日韓関係や韓国の閣僚候補者をめぐるスキャンダルが重点的に報じられる一方で、こういった疑惑に対する追及が本格化しないことへの懸念を示したともいえそうだ。
初報から2週間後に「新音声データ」
上野氏の疑惑は、人材派遣会社「ネオキャリア」が派遣する外国人の在留資格について、許可を早く出すように法務省に働きかけることで、ネオ社から金銭を受け取ろうとしていた、というもの。仮に事実であれば、あっせん利得処罰法に違反する可能性がある。8月21日発売の「週刊文春」8月29日号で報じられてから2週間が経っても上野氏はカメラの前で説明せず、週刊文春は9月4日に新たな音声を公開。そこでは、上野氏とされる人物が、ネオ社を上野氏に紹介した人物との打ち合わせの場で、
「許可も極力速やかに出すようにするので、そこで2万ずつ手数料もらうだけでも、まあ月に100万でも入れば」
などと話しており、週刊文春はウェブサイトの記事で
「まさに法務省に口利きをして利得を得るための計画を上野氏は自らの口で語っている」
と解説している。