右から左まで嘆き節
主要紙は一斉に社説(産経は「主張」)で論じた。
「先進七カ国首脳が結束し強いメッセージを国際社会に発信する――。......G7サミットはその役割を果たせなかった」と東京(8月29日)が書くように、G7の危機的状況への嘆きは各紙共通。「決裂は回避できたが、溝の深さを印象づけた結果となった」(産経28日)というのが、大方の評価だ。
原因は、もちろんトランプ大統領だ。毎日(28日)は「今回トランプ氏はあえてG7直前に対中制裁強化を打ち出し、協調軽視の姿勢を一段と際立たせた。G7では、欧州連合(EU)からの強硬離脱を唱えるジョンソン英首相とさっそく会談し、支持を表明した」と、米国を批判するとともに、「米国の独善を阻めぬ背景には、ドイツなど協調重視派の政権の求心力が低下したこともある」と分析し、「先進国が40年以上かけて築いた協調が空洞化の危機に直面している」と指摘する。
その中で、今回のサミットの成果として、イラン問題をいくつかの社説が指摘している。マクロン大統領がイランのザリフ外相をビアリッツに招き、トランプ大統領がロウハニ・イラン大統領と会談する用意があると表明したことだ。こうしたフランスの努力に、「マクロン氏がザリフ外相をビアリッツに招くなど、緊張の緩和につなげたことが功を奏した」(産経28日)、「両国の緊張緩和の糸口を探る外交努力は歓迎できる」(読売28日)、「米国発の問題の調整に、G7が取り組む実例になるかもしれない」(朝日28日)と、評価の論評が多かった。