生理痛があって電車の優先席に座ったところ、高齢者男性が「厚かましさに程がある」などとしたタブレット画面を無言で見せたとして、若い女性がツイッターで憤っている。
この男性とみられる人物は、ネット上で一時実名も晒され、炎上して投稿削除などに追い込まれている模様だ。
「隣国の人だと思う。最悪」と差別的な書き込みも
「高齢者の僕が座る優先席に若い女も座る。厚かましさに程がある。立てよと言いたいけど、逆ギレしそう」
この男性が向けたというタブレットの画面には、こんなフレーズで始まる文章が打ち込まれている。SNSの投稿用画面と見られ、男性の実名らしきユーザー名なども確認できる。2019年8月31日昼過ぎのことで、女性は、2駅ぐらいその画面を見せられた間に携帯電話で撮ったとして、ツイッターで投稿した。
画面では、続いて、「てゆうか顔は日本人だけど、隣国の人だと思う。最悪」とつづられていた。
女性のツイートなどによると、女性は、都営三田線に乗って仕事に向かう途中、激しい生理痛に襲われて立っていられなくなった。車両はどこも空いており、目の前の優先席周りにも座りそうな人がいなかったため、男性の隣に座った。
女性が鎮痛剤を飲んでいるとき、男性はずっと見ていた。何か言いたげだったといい、突然タブレットの画面を斜めにして女性に見させたそうだ。
女性は、「もちろん優先席だから人来たら譲るわ 誰もいないのに座るのだめなん?」と納得がいかないと不満をぶつける。自らは日本人にもかかわらず勝手に決め付けようとし、隣に座っていた若い男性には何もしなかったことから、外国人や女性への差別ではないかと訴えている。
女性の投稿は、大きな反響を集め、「いいね」が7万件以上も付いていた。
「優先席は高齢者専用ではない」
女性に共感する声は多く、「見た目だけじゃ分からないことだってある」「優先席は高齢者専用ではない」「人の善意に委ねられている事に強要とは」などと書き込まれている。
女性がアップしたタブレット画面の写真に映っていたユーザー名から、ある男性が浮上し、そのツイッターやブログなどのアカウントが次々に晒された。
ブログなどによると、この男性はマスコミ関係で長年仕事をしてきた70代の人物で、幾多の有名人との交流もつづられている。
その一方、ラッシュ前に次の駅まで優先席に寝転がったとした姿をアップしたり、女性がコーヒー店で何か1人で食べているのは「見苦しい」と書いたりもしていた。今回のことを受けて男性のアカウントとみられるツイッターは炎上状態になっており、投稿は9月5日正午現在ですべて削除されている。
なお、女性は、右腕を骨折して主治医には座るように言われているといい、3日のJ-CASTニュースの取材に対し、パニック障害の持病からカバンにヘルプマークも付けていたことを明かした。また、タブレット画面を見せた男性と、上記のブログなどに写真が掲載された人物と同一だとみられると答えた。
女性は、男性とみられる投稿をツイッターで紹介しているが、本人から3日昼過ぎ現在で、コンタクトを取ってきたり、謝罪してきたりしたことはないとしている。5日正午現在では、女性は、写真投稿はよくなかったとして、名前の分かるツイートなどは削除している。
J-CASTニュースでは、この男性にツイッターで取材依頼をしようとしたが、5日正午までに反応はなかった。男性が以前に関わったタレントの事務所を通じて取材しようとしたが、事務所は連絡が付かないとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)