「松坂世代」分かれる明暗 苦しむ館山、輝く藤川、復活の和田、そして本人の今後は...

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   「松坂世代」の選手たちが明暗を分けている。

   世代の中心だった中日・松坂大輔(38)は現役続行の危機に立たされている。ソフトバンクの3年間で未勝利に終わり、中日にテスト入団した昨年は11試合登板で6勝4敗、防御率、3.74。カムバック賞を獲得し、オフには背番号を「99」からエースナンバーの「18」に変更したが、移籍2年目は苦難の連続だった。

  • 1998年、横浜高校時代の松坂大輔(写真:望月仁/アフロ)
    1998年、横浜高校時代の松坂大輔(写真:望月仁/アフロ)
  • 1998年、横浜高校時代の松坂大輔(写真:望月仁/アフロ)

中日の契約延長は「極めて微妙」

   2月の春季キャンプからつまずいた。ファンに腕を引っ張られたことで肩に違和感を覚えて戦線離脱。今季初先発した7月16日の阪神戦(ナゴヤドーム)は5回2失点とまずまずの内容だったが、復帰2試合目の同月27日のDeNA戦(ナゴヤドーム)で、1死しか取れず8失点の大炎上。プロ最短KOで2軍落ちし、その後も右肘の違和感で復帰のめどが立っていない。

   5位と低迷するチーム状況で、投手陣もドラフト2位右腕・梅津晃大(22)、プロ2年目右腕・山本拓実(19)が先発ローテーションに入るなど若返りが進んでいる。球界関係者は「松坂本人がやりたくても中日が契約延長するかは極めて微妙でしょう。後輩からの人望は厚いしファンの人気は絶大だけど、ある程度結果を出してもらうのが前提ですから」と話す。

   高校時代は松坂と同じ神奈川県で日大藤沢のエースとして名を轟かせたヤクルト・館山昌平(38)も背水の陣だ。09年の最多勝右腕も17、18年と未勝利に終わり、同年オフに推定年俸9800万円から野球協約が定める減額制限(1億円未満は25%)を大幅に超える7400万減の2400万円で契約更改したが、今季の登板は1試合のみ。6月12日の楽天戦(楽天生命パーク)で先発も3回3失点KOで、その後はファーム暮らしが続いている。

   かつて守護神として活躍した広島の永川勝浩(38)も今季は1軍登板なし。通算165セーブを挙げた右腕は若手の台頭で苦しい立場に追い込まれている。

守護神として活躍する藤川。和田も「登板なし」から再起

   一方、輝きを放っているのが阪神・藤川球児(39)だ。今季はドリスの不調でシーズン途中から守護神に抜擢されると、今月1日の巨人戦(甲子園)で今季11セーブ目をマークし、現役通算の236セーブに到達。メジャーから日本球界に復帰した16年以降4年連続40試合以上登板し、今季も4勝1敗、11セーブ、22ホールドで防御率1.53と申し分ない結果を残している。

   ソフトバンク・和田毅(38)も鮮やかに復活した。昨季は左肩痛で1軍登板なしに終わったが、今季は6月23日の交流戦最終戦・巨人戦(東京ドーム)で651日ぶりの白星を挙げるなど9試合登板で4勝3敗、防御率3.86。経験豊富な左腕の存在はチームにとってまだまだ不可欠だ。

   「松坂世代」に特別な感情を抱くファンは多い。置かれた立場はそれぞれ違うが、現役生活を悔いなくやり切ってほしい。

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