「野球論も非常に明確で分かり易かった」
掛布SEAは現役時代、酒気帯び運転で警察沙汰を起こし、当時の久万俊二郎オーナーの怒りを買った。この事件がきっかけで、掛布SEAは阪神の指導者の道が断たれたとされ、実際、現役引退後は長らく縦縞のユニフォームに袖を通すことはなく、指導者としてグランドに立つまで30年近くを要した。
若返りを図る球団の意向もあり、64歳の掛布SEAが1軍の監督に就任するには現実的に厳しいだろう。だが、多くの虎党からは「ミスタータイガースの監督姿を一度は見たい」との声が上がっており、掛布SEAの監督待望論は根強いものがある。今回の掛布SEAの退団に失望する虎党が殺到しており、悲しみの声が上がっている。
かつて掛布SEAの指導を受けた経験を持つ若手OBは「掛布さんが退団するという報道を目にし、残念でなりませんでした。掛布さんは若い選手に対して気軽に話をして下さり、野球論も非常に明確で分かり易かった。阪神のいちファンとして掛布さんには現場に残ってほしかったし、指導者としてとても優秀な方でしたので阪神は大きな財産を失ったと思います」と話した。