中国政府、香港で「情報戦」加速? 周辺地区で国営ラジオ開局

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   大規模デモが続く香港で、中国政府による情報戦が加速する可能性もありそうだ。中国国営の新華社通信によると、2019年9月1日、国営ラジオ局「グレーターベイエリアの声(粤港澳大湾区之声)」が開局した。

   「グレーターベイエリア」(粤港澳大湾区=GBA)とは、香港(港)・マカオ(澳)の2つの特別行政区に加えて、広州、深センをはじめとする広東省(粤)の珠江デルタ周辺の9都市を合わせた地域。中国政府は2035年までにサンフランシスコやニューヨーク、東京に匹敵する世界最大級のベイエリアへの発展を目指している。この地域に向けて中国政府が国営放送を行うのは初めてだという。

  • 中国共産党は香港で「情報戦」を加速させるのか(写真はイメージ)
    中国共産党は香港で「情報戦」を加速させるのか(写真はイメージ)
  • 中国共産党は香港で「情報戦」を加速させるのか(写真はイメージ)

ニュース、金融、経済などを1日21時間放送

   「グレーターベイエリアの声」を開局したのは、中国国際放送局(CRI)、中央テレビ局(CCTV)。中央人民ラジオ局(CNR)を統合して18年3月に発足した中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ=CMG)。周波数はFM101.2MHz、AM1215kHzで、ニュース、金融、経済、生活、文化、音楽などを1日21時間にわたって放送。大半は香港・マカオ住民の多くが使う広東語で行われ、客家語や潮州語といった方言による番組もある。

   CMGトップの慎海雄氏は、中国共産党中央宣伝部の副部長を兼務する。宣伝部は、中国共産党のプロパガンダを担当するセクションだ。慎氏は放送開始の式典で、

「GBAの優位性を活かし、大陸と香港・マカオが協力する助けになるだろう」

とした上で、

「我々は、香港とマカオが、国の発展に融合され、香港とマカオの同胞の生活が向上し、香港とマカオが長期的に反映と安定を維持することを支持する。香港とマカオの同胞は、民族復活の歴史的責任と、繁栄と強さの偉大な栄光を、中国全土の人民と共有するだろう」

などとあいさつしたという。

   新華社は「新たなメディアプラットフォーム」も同時に始まったと報じている。ウェブサイトのことを指すとみられるが、前身の放送局「華夏之声」ウェブサイトのタイトルが変わった以上の変化は見当たらず、特段の新たなコンテンツは掲載されていない。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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