「表現の不自由展」実行委と津田大介氏、同日・同会場で「別々に会見」 再開協議めぐり「両者の溝」浮き彫りに

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「言論・表現の自由を守るために持てる総力を使ったのか」

   ともに会見に出席した実行委アライ=ヒロユキ氏も「今回の問題はパブリックフォーラムの法理を連想しました。公共空間・公共施設での言論の自由は、人身の安全が保障される限り最大限認められるべきというものです。この言論・表現の自由を守るためにあいちトリエンナーレ事務局は持てる総力を使ったのか。公共空間を使うものとして社会的責任をまっとうしたのか、これに私は懐疑的です」と津田氏や大村知事らあいちトリエンナーレ側を批判。もう1人の出席者・小倉利丸氏も「表現の不自由展の作品は、歴史認識や天皇制をめぐって検閲されたものばかり。この国の表現の不自由が抱える最も深刻な問題がこの問題だと思います」と指摘した。

   岡本氏は、津田氏が会見で言及した「中止が一方的に決められたかどうか」についても言及。次のように中止までの経緯と、その後の対応について順を追って説明した。

「8月2日に津田さんが会見したとき、抗議がひどいとして『展示内容を見直さないといけなくなるかもしれない』と発言しました。その時に、それ(中止)を決めるにあたっては、大村知事と津田さんと表現の不自由展実行委の『3者協議』をすると発言しました。

ところが8月2日深夜の会議で、津田さんは『知事と話してきた。決定をお伝えする』と切り出し、中止決定を伝えられました。私たちはそれに対し、安全対策でまだできることがある旨や、中止したときのリスクなどをさんざん説明しました。津田さんはそれを持ち帰ると言いました。

私たちとトリエンナーレ側には契約があり、『何か問題があったときは誠実に対応する』という内容があります。それが実行されていないと思っています。大村知事には再開のための協議の申し入れをしていますが、回答としては『もし再開するなら津田さん交えて協議する』とのことです。しかし日程調整を求めると返事がなく、滞っています」

   上記のように津田氏は、「事務局がサボタージュした」という小倉氏の話に反論したが、小倉氏はこれについて説明。「愛知県が開いた第1回検証委員会に出された資料に『あいちトリエンナーレ これまでの経緯』という文書があります。そこに書かれていることを読みます。8月2日朝、ガソリンテロを予告する脅迫ファクスを発見。(愛知県警)東警察署に通報。8月6日、2日の脅迫ファクスに対する被害届を東警察署に提出。2日のファクスに対して被害届は6日です。8月14日、脅迫メールに対する被害届を東警察署に提出。2日までに大量の脅迫メールが来たと言われていますが、被害届は14日。この空白は謎だと思いますが、県が検証委員会に出した経緯はこれであり、私はこれを言っただけです」と話している。

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