DeNAの自力優勝の可能性が復活した。DeNAは2019年9月1日、マツダスタジアムで広島と対戦し3-2の接戦をものにした。エース今永昇太投手(26)が8安打を浴びながらも8回途中まで2失点に抑える力投を見せた。これでチームは3位・広島との3連戦を2勝1敗で勝ち越し、首位・巨人に4ゲーム差まで詰め寄った。
「チームのモチベーションが上がります」
2点ビハインドの6回、1死1塁の場面で4番ネフタリ・ソト外野手(30)が同点の2ラン。四球と安打でチャンスを広げ、1死1、3塁から柴田竜拓内野手(25)の犠牲フライで1点を追加し逆転に成功した。この日DeNA打線は広島の11安打を大きく下回る4安打ながら、得点機会を逃さず3得点で勝負を決めた。
DeNAの自力優勝復活に伴い巨人の優勝マジックが消滅。横浜OBで野球解説者の野口寿浩氏(48)は「横浜に良い流れが来ている。巨人の優勝マジックが消滅し、自力優勝の可能性が復活したことは、チームのモチベーションが上がります。精神的にも大きな効果があるでしょう」と指摘する。
首位・巨人とのゲーム差は「4」。逆転優勝へ向けて野口氏が注目するのが梶谷隆幸外野手(31)だ。8月23日に約3カ月ぶりに1軍に復帰し、1番でスタメン出場を果たし、2回に今シーズン1号を放ち復活を印象付けた。梶谷が1軍に合流して以降、チームは7勝2敗と上昇気流に乗っている。
「数字以上に巨人との差が近いと...」
「梶谷選手が打線にいることで相手チームに与える心理的影響は大きいと思います。ここ一番の大事な場面で1本が出る選手ですし、つなぐバッティングも出来ます。ここ2試合は9番に入っていますが、梶谷選手が9番に入ることで、相手チームにとっては1番打者が2人いるような感覚でしょう。数字以上の存在感を示しています」(野口氏)
9月3日からは本拠地・横浜で阪神を迎えての3連戦を控える。今シーズン、DeNAは阪神との相性が悪く、ここまで7勝13敗1分けと、大きく負け越している。8月20日(京セラドーム)からの3連戦では3タテを食らい、3試合のうち2試合で完封負けを喫した。阪神に3試合で計19得点を許した一方でDeNAの得点はわずか1点のみ。
「横浜は今シーズン、阪神に苦しめられていますから3日からの3連戦は大きなヤマとなるでしょう。週明け10日には巨人との直接対決が控えているので、今週の阪神、中日6連戦は全て勝って気分よく巨人戦を迎えたいところです。巨人との差は4ゲームありますが、選手たちはこの数字以上に巨人との差が近いと感じているかもしれません」(野口氏)
DeNAは残り18試合中、巨人との直接対決を6試合残しており、9月27日の巨人戦がシーズン最終試合となる。DeNAの自力V復活、そして巨人の優勝マジック消滅...。セ・リーグのペナントレースが最終局面を迎えようとしている。