2019年9月1日は、防災の日。災害時にも通信はつながるのか、気になるはず。万が一の場合に備えて、私たちが知っておいた方がいいことは何だろう。
有事の際だけでなく、平常時でも安定した通信環境の整備に努めている。KDDIの強さとは何か。災害リスクの専門家とともに取り組みを見つめた。
災害時の通信は「情報発信・安否確認」の要。
災害リスク評価研究所の松島康生代表は、帰宅困難に陥った際に必要な要素として、「明かり、情報、通信」をあげた上で、「一番大事と言われているのが通信」と強調する。「特に多いのが安否確認。連絡が取れないとにっちもさっちも行かなくなってしまう。個人的にもそうですし、ビジネスの方でも当然、『うちの社員の安否はどうなっているんだ』となる」と災害時における通信の必要性を訴える。
松島代表は、東日本大震災の際、「ツイッターなどのSNSを使って、『うちの母親がこういう状態で救助待っています』と呼びかけるようなこともあった」とした上で、「情報のやり取りの部分で1番重要なのは救命救助で、その次に安否確認」と主張する。
「一番大事と言われているのが通信」と訴える松島代表
離れて暮らす家族に避難を指示できるメールも
KDDIは、災害・避難情報を特定エリアのau携帯電話に一斉で知らせる緊急速報メール、災害用伝言板、災害用音声お届けサービス、避難や安否確認を支えるサービスをまとめた「au災害対策アプリ」を提供している。
「登録エリア災害・避難情報メール」の仕組み
中でも特徴的なのは、今年7月4日に始まった「登録エリア災害・避難情報メール」。同サービスでは、離れて暮らす家族や知人の住む地域を登録することによって、安否確認をしたり、避難を呼びかけたりすることができる。危険が差し迫った際、離れて暮らす家族に直接電話をして、避難を呼びかける国土交通省推進の「逃げなきゃコール」に対応している。松島代表は「実家がどういう状態かわかる」と評価し、必要性を次のように訴えた。
「横での連携や声かけが少なくなった今の時代に必要。当の本人は大丈夫だと思っている人がたくさんいるが実際、西日本豪雨で助かった人の一部に、知人や子どもから連絡があって行動に移せた人がいる。最後に背中を押してくれたのは、そういう電話だったりする。それが逃げなきゃコールでもある」
空からも海からも「つながる安心を提供」
KDDIでは、災害時に稼働させるさまざまな種類の基地局を用意している。アンテナなどの通信に必要な設備を載せ、臨時に基地局を開設する「車載型基地局」だけでなく、小型の携帯電話基地局を載せた無人航空機型基地局(ドローン基地局)も開発。2017年3月から順次、全国10か所の保守拠点に配備して実証実験を実施している。災害時に陸海からの携帯電話サービス提供が難しい場合でも、上空からの一時的なサービス提供が期待できる。ドローン基地局を使った携帯電話位置推定技術も開発。災害時に被災者を特定できない場合でも、本人が持つ携帯電話の位置を推定できる。
写真提供:TIME&SPACE by KDDI
東日本大震災では、地震や津波で道路が利用できなくなり、陸路からの通信エリア復旧に時間がかかった地域があった。震災の教訓をもとに、KDDIでは船上に設置する「船舶型基地局」を開発。海上から通信エリア復旧に取り組む。昨年2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震の際も、海底ケーブルを敷設した船「KDDIオーシャンリンク」を北海道に向けて出航させた。
写真提供:TIME&SPACE by KDDI
「ずっと、もっと、つなぐぞ au。」24時間365日、全国のauの通信インフラを監視
写真提供:TIME&SPACE by KDDI
KDDIのモバイルオペレーションセンターでは、通話やデータ通信に欠かせないauの基地局が日本全国で数十万か所あり、24時間365日体制で監視をしている。
auの通信インフラでトラブルが発生した場合は、緊急度に応じてアラームが鳴動・表示され、オペレーターは必要なものが一目でわかり即座に対応する。 また、auの通信インフラは、バックアップシステムが準備されており、トラブルが発生しても自動で切り替わり、通信が途切れないようになっている。 なお、首都直下地震により同センターが被災した場合は、他拠点へ切り替え監視ができるようになっており、いつ被災してもすぐに対処できるよう訓練を実施している。
「電波サポート24」では、「電話ができない、ネットがつながりにくい」といった不具合の申告をユーザーから直接受付けており、24時間以内に担当から連絡が入る。
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