阪神・鳥谷敬選手(38)への引退勧告に、野球解説者の中畑清氏(65)が吠えた。
2019年8月31日放送の「SPORTSウォッチャー」(テレビ東京)で、功労者に対するリスペクトが欠けているとして球団の姿勢を猛批判したのだ。
「選手に対しての気遣いを...」
今季の鳥谷は、ここまで打率2割8厘。代打を中心に87打席に立っているが、本塁打・打点はゼロ。出塁率と長打率を足した指標のOPSは0.550で、規定打者では最下位の大和(DeNA)の0.588を下回っている(成績は31日時点)。
そんな鳥谷に、球団が事実上の戦力外を通告した。
本人が31日の試合前に報道陣の取材に応じ、球団から「引退してくれないか?」と告げられたと明かしたのだ。引退か他球団移籍を模索するかは未定だが、どちらにしろ阪神のユニフォームを着てプレーするのは今季限りで見納めとなる。
生え抜きスター選手への、シーズン途中での引退勧告。これに怒りを露わにしたのが、巨人OBでDeNAの監督も務めた中畑氏だった。解説者として出演した「SPORTSウォッチャー」で、鳥谷の件について話題を振られると、
「このタイミングだよ?功労者に対して、このタイミングで引退勧告なんて。まだ残り試合も十分残ってるのに...。やる気満々の功労者に対して言う言葉じゃない。ありえないね」
と語気を荒らげてコメント。
さらに「これ、ジャイアンツで言うなら、阿部慎之助に引退勧告してるのと同じこと」と続け、「いま鳥谷の気持ちになったら、どうやってプレーしていいのか。彼のモチベーション、どう保っていけばいいのか」と憤りを露わに。最終的には、
「もう、『どうなってんだ阪神!』と言うくらい。選手に対しての気遣いをもうちょっとして欲しいな。お願いします!」
と球団に苦言を呈した。
矢野采配にもチクリ
このように、スター選手へのリスペクトが欠けていると憤りを露わにした中畑氏だが、その怒りはまだ収まらなかった。
鳥谷の引退勧告のニュースを伝えた後、番組は31日の阪神-巨人戦(甲子園)を特集。2-2のスコアで迎えた7回裏ワンアウトの場面で、ネクストには代打で鳥谷が準備していた。しかし、打席の梅野隆太郎捕手が空振り三振に倒れたため、「代打、鳥谷」のコールはなし。
代わりに打席へ向かったのは、中谷将大外野手だった。このワンシーンを見ていた中畑氏は、首をかしげながら、
「逆だよ...」
と不満気に一言。中谷ではなく、鳥谷を代打で使ってほしかったようだ。
結局、この日鳥谷は出場せず。なお試合は、代打・中谷の決勝ホームランで阪神が勝利を収めている。